大友良英 (turntable, g, etc.)
ソロ演奏のCDとDVDのセット、大友良英『Multiple Otomo』(Asphodel、2007年)。
音だけでも、聴くたびに違う幻を想像させてくれる。それに加え、まるでスタン・ブラッケージのようなギトギトビカビカの映像はまた違った様子で面白い。視線が向けられている先には、ターンテーブルを操る手であったり、妙な小道具の先っぽであったり、ギターを弾く彼の佇まいであったり。
それらを茫然と観ていて思ったのは、いかに過激で非日常的な音やパフォーマンスであっても、そこにおいて介在する手仕事やマテリアルや情報への「異常な愛情」が、ベースにあるのではないかなということ。要するに、溢れ出る人間の音楽。
紅白歌合戦にも『あまちゃん』のため登場するだろうし、ちょっと観てみようかな。
●参照
○ジョン・ブッチャー+大友良英、2010年2月、マドリッド
○ペーター・ブロッツマンの映像『Concert for Fukushima / Wels 2011』(大友良英参加)
○井上剛『その街のこども 劇場版』(大友良英参加)
○テレビドラマ版『その街のこども』(大友良英参加)
○テレビ版『クライマーズ・ハイ』(大友良英+サインホ)
○サインホ・ナムチラックの映像(大友良英参加)
○『鬼太郎が見た玉砕』(大友良英参加)