日野元彦『Sailing Stone』(Fun House、1991年)。普段はほとんど聴かないジャズロック路線だが(ストーンズを4曲も)、たまにかけると耳が吸い寄せられる。
日野元彦 (ds)
Steve Swallow (b)
Karen Mantler (org, harmonica)
Mike Stern (g)
Marc Muller (g)
Dave Liebman (ts, ss)
日野皓正 (cor)
故・日野元彦のドラムスは、固い鉄の箱の中にさまざまな要素をぎっちり詰め込んだような感覚で、エネルギーとスタイルとが同居していた。(1999年に亡くなってからもう15年以上が経つ。大西順子との共演をいちど観たきりだ。)
この盤では、そのような「ご馳走感」が、本人のプレイだけでなくぎっちり詰まっている。なかでも、スティーヴ・スワロウの柔軟でゆっくりとしたベースが音楽全体に甘酸っぱいような味を付けていて動悸動悸する。カレン・マントラーのオルガンは生き物のようなナマ感があってとてもよい。ヒノテルのためて絞り出すトランペットや、スタイルだけを追求したようなデイヴ・リーブマンのサックスも、やはり普段は好みと違っていてあまり聴かないのだが、くだらぬ思い込みを捨てて聴けば、実にハマっている。
同じレーベルから出された本田竹広『BOOGIE-BOGA-BOO』も、同じテイストのものとしてまた聴きたくなってきたりして。
●参照
本田竹広『BOOGIE-BOGA-BOO』(日野元彦参加)