Sightsong

自縄自縛日記

カート・ローゼンウィンケル+ジャン=ポール・ブロードベック 「ショパン・プロジェクト」@ブルーノート東京

2023-05-06 17:54:01 | アヴァンギャルド・ジャズ

ブルーノート東京(2023/5/3、2nd set)。

Kurt Rosenwinkel (g)
Jean-Paul Brodbeck (p)
Lukas Traxel (b)
Jorge Rossy (ds)

カート・ローゼンウィンケルはそれはまあ凄いことに誰も異論を差しはさまないだろうし、実際に次第に盛り上がる演奏のなかでここぞとばかりに聴かせるソロはさすが。とはいえリヴァーブが過剰に感じられて、もうちょっとソリッドに攻めてほしかったところ。ホルヘ・ロッシーの重くて軽いドラムスはみごとだった。

●カート・ローゼンウィンケル
カート・ローゼンウィンケル@ディスクユニオンJazzTOKYO(2016年)
カート・ローゼンウィンケル@Village Vanguard(2015年)
Human Feel 『Galore』(2007年)
ポール・モチアン『Flight of the Blue Jay』(1996年)

●ホルヘ・ロッシー
スティーヴ・スワロウ『Into the Woodwork』(2011年)
クリス・チーク『Blues Cruise』(2005年)


「深瀬昌久1961-1991」@東京都写真美術館

2023-05-05 23:21:40 | 写真

東京都写真美術館の「深瀬昌久1961-1991」。プリントを凝視するとちょっとどきどきする。愛するパートナーとの私生活をフィルムに焼き付けるということには、天国も地獄も紙一重のあやうさがあって、だからこそ魅惑的。

それは原一男の『極私的エロス 恋歌1974』でも、ジョナス・メカスの『歩みつつ垣間見た美しい時の数々』でも、沢渡朔の『Kinky』でも、島尾伸三の『まほちゃん』でも。


戸谷成雄 彫刻@埼玉県立近代美術館

2023-05-01 21:34:25 | アート・映画

埼玉県立近代美術館に足を運んで戸谷成雄展。石や木や鉄が風化し浸食されたような造形であり、やはり独特。
千葉成夫『現代美術逸脱史』では、「空間」をたんに取り込もうというのではなくてそれをこそ「彫刻」として実現しようとしているのだと説いている。とはいえ実践そのものに着目することは「もの派」の発生からそうであったはずで。なにがここまで戸谷の魅力となっているのだろう。
山西省の大きな自然公園に行ったとき、うねるような形の樹木について場のエネルギーのゆえだという説明を受けた。もちろんそれは科学的でもなんでもないのだけれど、戸谷の彫刻にも感じる、そのような世界観。人の手による実践だけではなく、世界とのかかわりを形にしようとする世界観。