埼玉県立近代美術館に足を運んで戸谷成雄展。石や木や鉄が風化し浸食されたような造形であり、やはり独特。
千葉成夫『現代美術逸脱史』では、「空間」をたんに取り込もうというのではなくてそれをこそ「彫刻」として実現しようとしているのだと説いている。とはいえ実践そのものに着目することは「もの派」の発生からそうであったはずで。なにがここまで戸谷の魅力となっているのだろう。
山西省の大きな自然公園に行ったとき、うねるような形の樹木について場のエネルギーのゆえだという説明を受けた。もちろんそれは科学的でもなんでもないのだけれど、戸谷の彫刻にも感じる、そのような世界観。人の手による実践だけではなく、世界とのかかわりを形にしようとする世界観。
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