こまつ座の舞台を観劇してきました。
実在の人物・・・吉野作造さんの生涯です。
私、この方知りませんでした。1878年から1933年の生涯です。郷里の宮城県には、立派なん記念館もあるそうです。
何をした人かと言えば・・・日本の民主主義の種をまき、大正デモクラシーを主唱し、思想家で政治学者であり、帝大教授だった人。クリスチャンでもあります。
「政治とは国民全体の幸福を中心に考えるものだ」と唱えていたために、命を狙われることもあったみたいです。
セリフの中に、「ともによりよい生活をめざそうという願い、それが国のもとになる。その意思と願いを文章にまとめたものが、憲法なんだ」とあります。この舞台、憲法についていろいろ語られます。こうやって書くと、難しそう~~~~って思うだろうけど、2時間弱の舞台は笑いが満載でとっても面白かったです。
舞台では、この方夫婦と10歳年下の弟夫婦のかかわりで、進められていきます。
弟さんはお役所の人・・・商工次官になり商工大臣になり、戦後は運輸大臣にもなるのです。
兄は、国家や政府を批判し続ける、弟は国家や政府そのものになってしまう。この正反対の2人・・・・仲が良くなかったみたいです。実の兄弟なのにね。作造の奥様と弟・信次の奥様は姉妹なんですって。でも、この兄弟に濃い付き合いはなかったみたいなのです。
舞台の中でも、弟が非国民と訴える場面があるものね~~~。
作造さんは、貧しい産婦達のための産院や、親のいない子ども達のための保育所、朝鮮や中国からきた苦学生たちのための奨学金制度、医者にかかれない人たちのための病院などなど・・・一人でやろうとしていたんだよね~~~。
国をはさんで、対立する兄弟。それぞれの生き方があるわけだけど、いろいろ考えさせられる舞台でした。
憲法はもちろんなんだけど、政治とは何?政治家とは何?と、言われているみたいだった。ちょうど、今のこの時勢にあっているかも・・・・・。
いい歳して、政治には、とんと疎い私だけど、このままではいけないわね~~~。ちょっと反省・・・・。
出演は、辻萬長さん・剣幸さん・大鷹明良さん・高橋礼恵さん・宮本裕子さん・小嶋尚樹さんの6人だけです。朴勝哲さんのピアノだけで、進めていきます。
こまつ座はオペレッタ風なのですが、この歌がとっても楽しかったりするのも魅力です。ピアノが全く邪魔に感じないのも良いのです。