ぷ~さんのブログ

観劇、読書、趣味の手作りなど、日常で感じたことを書き込んでいきます。

王子さま

2009-12-26 22:08:23 | 観劇

『兵士の物語』を観劇してきました。

出演は石丸幹二さんひとり、他はピアノとパーカッションだけの朗読劇です。演出は白井晃さんです。白井さん、石丸さんと言えば、以前にやはり朗読劇の『イノック・アーデン』を観劇したのですが、それに較べると今回は「えっ~~もう終わり?」っていうくらい早かったです。

1時間10分ぐらいでしたね。今日は白井さんと石丸さんのトークショーもあったので、ラッキーでした。

休暇をもらい一人の兵士が、故郷にいる母に会いにいくのですが、途中で悪魔に出会います。この悪魔、いろいろ姿を変えて兵士の前に登場するのです。もちろん、石丸さんが全て演じ分けるのですよ。

悪魔は兵士のヴァイオリンと、未来の事がわかる本を取り替えようと誘惑します。その誘惑に乗ってしまうのだけど、お金持ちになりなんと王女と結婚し王様にもなっちゃう。でも、満たされないものを感じるのです。そして、母を思い出す。王女も「あなたの事をもっとしりたい」と言う。王女と2人で故郷を目指し、国境を越えたとたん悪魔が現れるのですね・・・・

最後のセリフ『叫んだのは誰だ!』で幕。その前に王女は叫び声と共に、いなくなってるし(連れ去られている?)・・・・観る側にいろいろ想像させる形で終わっています。

幸せは一つで十分・・・2つ望めば・・・がテーマになっているんです。残酷ですよね。王女と幸せな結婚をしているけど、母も一緒ならもっと幸せになれるって思うじゃないですか・・・・。

今、パンフをチラッと読んでいるのですが、良いことが書いてある。白井さんの話です。『兵士が王女に惹かれたのは、彼女の地位でなく心が欲しかったと思うんです。大切なのはモノでなく心。でも心さえも2つ求めてはいけない。ようするに、遠く昔に消え去った幸せでなく、今、目の前にある存在を大切にしなさいってことなんです』

いろいろ考えさせられる舞台、良質な朗読劇でした。

セットも面白くて、兵士と王女、悪魔の衣装が置いてある。なんていうんだろう・・・洋服やさんみたいに並べてる。洋服を作るときに、洋服を着せておく台ね。

石丸さんは、それを兵士や王女に見立てながら朗読していくのです。

トークショーで話されていたのですが、兵士の物語はいろいろな演じ方を、いろいろな人がしている。今回は石丸さんがある人の楽屋に入り込んで、台本片手にちょっと朗読している感じなんですって。

石丸さんにとっての悪魔はなにか?

自分の良心だと言っていました。いつも、お前それでいいのか?って呼びかける。自問自答している自分だそうです。

石丸さんはいつ見ても、立ち居振る舞いが王子様だなぁ~~と思います。お顔はもちろん正統派の二枚目なのですが、身のこなしが品良く感じるのはなんなのでしょうね~~。

そういえば、遠い昔に美女と野獣をみて、ラストで王子となった石丸さんにホレボレしたっけな~~~。

白井・石丸の朗読劇はこれからも続きそうなので、楽しみです。

最後になったけど、音楽もとっても素敵でした。作曲はイゴール・ストラヴィンスキー。私は全く知らないんですけどね

石丸さんはずっと台本を持っている設定なのですが、この台本は全て楽譜が書いてあるそうです。どこで歌い、どこでセリフを言うかですね。さすが、石丸さんです。

いろいろな方の兵士の物語を、ちょっと観たくなりました。

コメント (6)
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