『志の輔らくごin PARCO 2012』へ行ってきました。
毎回、毎回思うけど、志の輔さんの枕から本題へ入る瞬間が素晴らしいと思う。水が流れるが如く、すっ~~~と入っていく。入ったってわかる瞬間が、ちょっとドキドキしたりして聴くほうも、一瞬身が引き締まる感じなのです。
今回の演目の中では、どれも面白かったけれど最初の『タイムトラブル』が好きかも。30年間無遅刻の教師が遅刻してしまうその理由は・・・・・宮本武蔵が部屋にやってきたから・・・・と言うタイムマシンのお話なのだけど、生徒とのやりとりが実際に行われているかのようで、ものすごく楽しかった。
ラストの紺屋高尾は江戸の花魁のお話。この高尾さん、凛としていてとっても素敵な女性。吉原という世界だから、ラストはちゃんと嫁ぐことが出来るのか、ドキドキしちゃったけどハッピーエンドとなり、幸せな気持ちになりました。
毎年恒例のパルコの舞台は、落語のほかにも色々趣向がありまして、幕間も楽しめます。
1本目のあとの影絵がとっても素敵だったな。志の輔さんが最後に話されていたけど、「この影絵を使う落語がしたくて作った」のだそうです。落語より影絵が先だったって・・・・。
2本目のお雛様の話のあとは、某劇団員さんがそろい、お話そのままの人形でなく人間のお雛様が登場して楽しませてくれました。
恒例と言えば、今回も最後にはお囃子のあとに、三本締めで終了。
その時の挨拶で、東日本の復興にむけて『普通に落語をおこない、普通に落語を聴きに行けて、普通に笑える年にしたいです』と話されていました。普通であることの幸せを忘れてはいけないですね。
そして、師匠である談志さんのことも少しだけお話されました。2007年のパルコに足を運んでくれて、客席で聴いてくれて『人の落語を最後までこうやって、聴いたのは初めてだなぁ』と言われたそうです。
「うまくなったなぁ」とか、言われるよりも、弟子として何よりも嬉しい一言だったのではないかな~~と感じました。こんな事をさらりという談志さんもカッコいいですよね。