こまつ座の『11ぴきのネコ』に行ってきました。
絵本は馴染みがあり、ストーリーも十分わかっているのですが、絵本のようにあっけらかんと終わるお話ではなかったですね~~~~。
パンフレットを読んで初めて知ったのですが、このお話はテアトルエコー版と、こまつ座版があるみたいです。今回はテアトルエコーで上演されたものです。
どちらもラストにどんでん返しがあるのですが、このどんでん返しがとても考えさせられます。そして、大切なメッセージになっているように思います。
物がなくても、心が裕福だったあの頃・・・・・高度成長と共に、物があふれ便利になり裕福になったような気がするけど、人の心は果たして裕福なのだろか・・・・・と質問されているような、大切な事をいつから忘れてしまったのか・・・と考えさせられました。ラストは重い、悲しい、切ない・・・・物の裕福でなく、心の裕福に向けて前向きに考えたい。
演出は長塚圭史さん。
指導者のにゃん太郎に北村有起哉さん。ラストは重いメッセージだけど、物語は言葉遊びがふんだんにあり、大いに楽しめました。擬音の使い方が実に面白かった。井上作品に触れると、日本語ってなんて面白いのだろう・・・って思います。
北村さんが劇中で、シェイクスピア作品を全て紹介するシーンがあります。これがとてもリズムが良くて楽しい。思わず拍手です。無理だと思うけど、覚えてみたくなりました。
猫糞のにゃん十一に山内圭哉さん。セリフの間がとても良くて、何度も笑わせてもらいました。ラストがこの方の歌・・・・・切なかった・・・。
舞台上だけでなく、客席もふんだんに使い、開演前から楽しめます。
そして、ピアノ演奏がとても素敵。効果音も全てこなすのですが、見ていてとても楽しかった。
今年は井上作品がめじろ押しなので、楽しみな1年です。いくつ観劇できるかな~~。