池波正太郎原作の『その男』、観てきました。
出演・上川隆也さん・平幹二朗さん・内山理名さん・キムラ緑子さん・池田成志さん・六平直政さん達です。
休憩を含めて、3時間40分の長い舞台でしたが、長さは感じませんでした。観終わって、しみじみ・・・・・じわ~~~~っと・・・・良い舞台だった~~~と思わせる話でした。
まだ、始まって3日目ですからあまり書きませんが、これから観劇される方はネタばれもあるかもしれませんので、ご注意を・・・・・。
ストーリーは一言で言うと、虎之助(上川さん)の一生なのです。幕末時代の話なので、明日の日本がどうなるか・・・・・混沌として分からない時代。
父親代わりとして育ててくれた恩師(平さん)の役に立ちたいと思う虎之助。恋愛には不器用だけど、恋もして結婚もする。ところが、恩師と妻には悲しい結末が待っています。恩師が死ぬ間際に、犯人の名を「恨みになるから・・・・」と口にしない。
あっ!また、恨みの連鎖を断ち切る話だ・・・・と思いました。『ムサシ』『POWER』と、恨み、憎しみを断ち切るというテーマがここのところ続きます。現代がそれを必要としているっていうことなのかな・・・・。
江戸から明治、大正、昭和と時代が移っていくのも、分かりやすく表現されていました。江戸から明治に変わるのは、本当にすごい事だったのでしょうね。侍と言う職業がなくなるのですから・・・・。今でたとえるとなんだろう。とにかく一つの職種が消えるんだもんね。そんなこと、想像しようと思っても出来ないわ。
それにしても、上川隆也さんはかっこいい方です。後半で思わす、『かっこいい~~』と無意識につぶやいてしまいました。笑顔から、真剣な顔になるあの一瞬が好きです。
考えてみると、平さんの舞台はお初でした。さすがの貫禄ですね。登場するだけで、空気が変化する感じがあります。剣を持って構える姿が、どっしり落ち着いてきまっています。
キムラさん、色っぽい役でした。とっても素敵な女性の役、お似合いでした。
池田成志さん、ずっと薩摩弁なのです。これがまた、みごとで感心しました。なめらかに話すんですよ。何を話しているかは分かりますが、聞いていると外国の言葉みたいです。
あ~~~~~~~良い舞台だったなぁ~~~~~~~~~。観終わって、良かった~~~と思える舞台は、仕事の疲れが取れます。原作を是非、読みたいと思わせる舞台でした。
でも、平日夜だったからか、空席が多かったのが残念だったなぁ。