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ひぐらし:綿流し編再考

2007-10-23 01:58:57 | ひぐらし
では、昨日書いたようにひぐらしPS2版のプレイメモを(長いので)三つに分けて掲載する。これを読んでいるということはすでに祭編もしくは「」まで終わっているだろうから、くだくだしく全てを文章化したりはしない。断片的な情報から何がしか得るものがあれば、と思う。


綿流し編プレイメモ(~10/21)
まずは想像や(集団)幻想(≒症候群)に絡むものを挙げる。


<法則性を見出したくなる心>
「祟りでも偶然でもなければ人の意思が働いているとしか考えられない」(by 鷹野)
⇒事件は「祟りor人為」となる。というのも、毎年起こる事件、つまり「連続」怪死事件と聞けば偶然とは考えにくいからだ。要は深読み、連想といった心の動きである(⇒陰謀説など、古畑任三郎の「おみくじ事件」なども思い出せ)


<偶然を必然だと思いたい気持ち・願望>
こう聞くといかにも忌避すべきことのようだが、必ずしもマイナスとは言えない。たとえば法則性の発見=自然科学、神の罰=明日への安心など。そして必ずしもマイナスではないゆえに、人はその行為から逃れることができないとも言える。またひぐらしも、法則性を読み取ろうとする自体が悪などとは言っていない⇒「ルールXYZ」を想起せよ。

「真相は別にして、夢のある方を信じたいわね。その方がおもしろいでしょう」
雛身沢の秘史について聞かれたときの鷹野の言葉。ひぐらしのテーマを思えば至言である。


<伝承・民俗学・昔話の真相>
これらは、普通に考えればオカルト、幻想⇒あるいは何らかの科学的根拠に基づいている?⇒罪編の症候群関連の話(寄生虫、スイス人たちのホームシックなど)
罪編でこういった科学的解明がなされている一方で、皆編では神の証明がなされているのは興味深い(神の解体から創造へ同2も参照)。しかしそういった表現の揺らぎ[?]が単なる不定見なのか、あるいは何か意味があるのか未だ掴みきれていない。ひぐらしにオカルトが含まれていることが論理的に証明できたという事実などを考慮しつつ、いずれ答えを出したいものだ。

「鬼は他から来た」という。実際には「病人」だと思われるが、他を追い出された人々が人里離れた鬼ヶ淵村へ移ってきたのだろうか?


差別> 単位⇒綿編、沙都子(=個人)⇒皆編 
みんなが(「あいつ」もしくは「それ」を)蔑むから、みんなが許さないから自分もそうする…差別の意識、集団幻想。皆編でみなが北条家への差別意識をいまだ持ち続けていると思い込んでいたことが沙都子の冷遇を長引かせた事実を想起せよ。


幻想(≒症候群)関連は以上。後は各論である。


<鬼編と綿編の圭一の描写>
鬼編のキレる圭一と綿編の冴えない圭一⇒症候群か否かの差
罪編の圭一は、症候群の状態について「なぜか頭は異常に冴えている」などと述べている。綿編の圭一はほとんど振り回されるだけの存在で、そんなキレる(あるいは本編の言葉で言うとKOOLな?)圭一と非常に対照的に描かれている。こう書くと微妙な違いでしかないように感じる人がいるかもしれないが、レナの存在によって圭一のヘボさが巧みに演出されていることに注目すべきだろう。詳しく言えば、レナが冴え渡る名探偵として事件の真相に迫っていくのを描写することで、振り回されるしかない圭一のヘボさが際立つのだ。だからレナの冴えは、事件解決を可能にするだけでなく「ヘボい=鬼編とは違う圭一」を際立たせる効果があると言えるだろう。


<権力との対決、あるいは権力の不正>
・機動隊の暴力行為により詩音がケガをし、運動が一気にヒートアップ(お魎が激怒)マスコミに(暴力行為を)リークして封殺する。→大災害の自衛隊の件とリンク


祭具殿の捜査を妨害する一方、沙都子を助ける鍵にもなる園崎議員
⇒月並みだが、要するに「力は使いよう」ってことだ。


<奴らに助けられ、そして滅ぼされるという皮肉>
・誘拐事件でケリがついた=結局は上で話がついたのだとしたら、奴らに助けられたということになる。そして最後は、そいつらが目論んだ大災害で滅ぶという皮肉。なすがまま…まあだからこそ惨劇に挑めという煽り文句があり、かつ小此木をわざわざ魅音が倒す=自分達で解決したという演出がわざわざ必要にもなったのだろうが。


<恋愛感情も芽生えうる>
詩音に遊ばれる圭一、あるいは(詩音を名乗る)魅音の違う一面にドギマギする圭一⇒鬼編のレナなどへの一方的なからかいに対する反作用か?

つまり、「圭一もそういう心情はあるし、それによって心が乱れたりもする」と言いたいのだと思われる。またそのことによって、他人をからかうだけでなく自分がからかわれたりもする(=一方的ではない)。恋愛感情などではなくひたすら「仲間」という関係を求める圭一の姿が、プレイヤーにとって異質に映ったため、このような恋愛の要素を意識的に出したのかもしれない。

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