シツクな式場に感心しつつ軍曹らと昔話をしていたら、式場入口に学ランを着たる益荒男どもが集結し始めた。新郎熊八の来歴を知る我はある予感もてその様子を見守つたが、やおら漢どもは二高応援団であることを宣言し、雄叫びにも似たエールを送り始めた。
なるほど、これがかの有名な貞子事件や勃起掲揚を成したる面々か。夜の学び舎にて窓ガラスを割つて回るでもなく長髪・白ランにて団員を錯乱せしめ、dinnerと称し部室にて儀式を執り行うは、まこと痛快なりや。
さてもエールを送られたる新郎もまた一団に加はり、スウツ姿で難なく団旗を振る様はいとあはれなり(かくのごとく新郎自身がエンタアテイナアとして振舞うを見て我は往年の惨太を思い出した)。それを見て我は体育会系であるとか主意主義的振る舞ひ、日本的組織なるものに思いを馳せるのであった。
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