A Slow Life of Mister Masuda

定年退職後のスローライフを公開!

(40)カラバジオ

2007年12月16日 21時55分19秒 | 地中海紀行
(10月26日 続き)

聖ヨハネ教会堂の一部がカラバジオの絵画展示場になっている。
カラバジオの画は教会の至宝である。



騎士団員はヨーロッパの裕福階級の次男以下の子弟によって構成されている。
金の掛かる騎士の装備、また幼少からの騎士としての鍛錬は
経済的に恵まれた人々のみ果たされたものだろう。
親からの経済援助、あるいは相続などによる領地からの収入は
マルタにもたらされ、様々な建造物の建築や装飾に使われた。
騎士団員になるためには応分の経済的貢献も期待されていた。

カラバジオも騎士団に参加したい思いを持っていたが中々許されず
5枚の絵画を寄贈する事で漸く入団を許可されたそうだ。
「物納」と云う事である。

現在はその内 3点がここ聖ヨハネ教会堂に所蔵されている。
いつもは貸し出しなどで3点揃っての展示は珍しいのだが
今日は3点揃っての展示となっている。

「ヨハネの首を所望するサロメ」 はカラバジオの最大の作品。



「聖フィロエムス」 はヘブライ語だったバイブルを初めてラテン語に翻訳した聖者



初代ヨハネ騎士団長バレッタの肖像画
胸の十字架の模様はマルタの国章。



カラバジオの絵画は光と影を巧に表現した画家で
後年レンブラントが手本にした「光と影」の手法は見事。