森の案内人 田所清

自然観察「独り言」

ホソバノツルリンドウ ①

2012年11月01日 | 自然観察日記
10月は頻繁に出歩いて県外にも何度か足を運びました。そのなかで特筆するに値するのがこのホソバノツルリンドウとの出会いです。場所は裏磐梯レンゲ沼の近くの砂利道の脇。車が頻繁に通 っていますから砂ぼこりを被るような場所です。実はこのホソバノツルリンドウは極めて貴重な種で絶滅危惧種に指定されているものなのですが、このような危なっかしい場所に生息しているのに驚きです。保護するわけにもいかないのでそのままにしておきました。自らの力に委ねるしかない状態でしたが、遠からずここでの自生は失われる可能性があります。
私は20年位まえに三国の山中でこの種に出会ったことがあります。8月でしたから花の季節で、ツルリンドウの花を小さくし色を薄くしたような花を見た記憶があります。今回は実の季節で熟していない実が何個か確認できました。(せめて実が熟していれば保護する手立てもあったのですが、遠すぎて再び出向くわけにもいきません)
「ツルリンドウ」という名がついていますが、ツルリンドウとは全くの別系統の種で、「ホソバノツルリンドウ属」というくくりで分類されるものです。極めてまれな種とされます。