公園や街路樹にときどき植えられているフウという樹をご存知でしょうか。丘陵公園にもフウの樹が少しあります。実が面白いので工作などにも利用されるのですが、先日その実を拾いにこの樹の生えているところに行きました。まだ青い果実も樹上には多くあるのですが、すでに地面には沢山の実が落ちていて必要な分を確保しました。樹高6mくらいの樹でしたが、あいにくカメラを持ち合わせていなかったのでその姿を写せません。葉と青い実を持ち帰り記録を兼ねて室内で撮影です。
ところで、地上に落ちている果実を拾い集めているうちにふと気づいたことがあります。写真の2つの果実は左側が地面に落ちていた果実で、右側が十分乾燥した昨年の果実です。比較すると明らかな差があります。乾燥が進むと所々に穴が明瞭になりユニークな状態の果実になります。それが、今年地上に落ちている実はすべてこの穴が閉じた状態なのです。念のため低い位置にある青い果実を調べても穴は開いていません。褐色になった果実は樹には付いていませんから褐色になるとすぐに落下してしまうのでしょう。種子はこの果実の中にあるはずで、穴はその種子を地上にこぼすための仕掛けであるはずですね。つまり、この樹は種子の散布をどういう仕組みで行っているのだろう?というのがその時に感じた疑問です。穴が開かないまま地上に落ちては、中の種子は目的を果たせません。穴の開いた果実が高いところにあって初めて種子の散布に意味のある状態になると思うのですが・・・・。地面に落ちた果実はいつまでも湿っていますから、穴が開くようにはならない気がします。さて・・・・。もう少し観察する必要があるようです。