森の案内人 田所清

自然観察「独り言」

ナンバンハコベ 花

2012年11月27日 | 自然観察日記
図鑑や文献などで理解している種は実にたくさんあります。むしろそれがほとんどかもしれませんね。そんな種が突然目の前に現れるとえもいわれぬような感激に襲われます。新しいものに「出会えた!」という感動は当然ありますが、むしろ未知のことが「判った!」あるいは「理解した」という喜びの方が大きいものです。
ナンバンハコベに出会いました。これも図鑑などで再々目にしている花ですが、実物を見るのは初めて。目にした直後は「ン?」、一呼吸おいてこの花があの図鑑の○○の所に載っていたものというのがピピッと繋がると心の中で大きな歓声をあげてしまいます。北海道から九州にかけて生育するといわれる種ですが県内で見たのがこれが初めて。場所は糸魚川。それも晩秋。決して密度の高い種ではないと思います。

ナンバンハコベ 実

2012年11月27日 | 自然観察日記
実もありました。実は黒く熟すはずですが、まだ青い状態。周辺の草花はもう冬の装いのものが多い中で、ナンバンハコベは花盛り。道端の枯れかかった草に巻き付いていたのです。つる植物だということをこの時初めて認識しました。県内の分布を調べてみると県北と県南でよく見つかるようで長岡など県央は稀です。さらに、県北は低海抜で見つかるのに県南は高海抜で見つかることが多いようですよ。変わった種です。