森の案内人 田所清

自然観察「独り言」

ミヤマイラクサ

2012年11月05日 | 自然観察日記
久しぶりに東山の鋸山に登る機会がありいくつかの花を観察することができました。これはイラクサの仲間でミヤマイラクサという種です。下手に触ると棘に刺されて不快な思いをしなければなりません。
信濃川を挟んで西側の里山フィールドミュージアムエリアにはこの種に近いムカゴイラクサがが自生していますが、本種は確認できていなくて、すべてムカゴイラクサです。ところがこの鋸山を登って気づくことはミヤマイラクサはたくさん自生していますが、ムカゴイラクサは確認できませんでした。自生していないとは言い切れませんが、この2種の分布の違いに信濃川が絡んでいるのかもしれません。明らかな密度の相違はあると思います。面白い現象ですね。

ミヤマイラクサ 雌花序

2012年11月05日 | 自然観察日記
ミヤマイラクサの花序は雌雄別々で先端にあるのが雌、茎の中程にあるのが雄の花序です。この逆の配置になっている方が風媒花にはよさそうなのですが実際は逆になっているのです。調べてみるとイラクサ科の植物は雄花序や雌花序を別々に持っているものや中には混在していたり、あるいはその配置が逆になっている種もあったりでかなりバラエティーに富んでいるようです。つまり、いろいろな「形」を試しているグループのように見受けられ進化の途上にあるものなのかもしれません。