北どぶ湿原の一角、ギョウジャニンニクのなかなかの群落です。湿原のへりに当たりミネカエデなどの灌木の下になっていてチシマザサも生い茂り人目に付きにくい空間にありました。まだ花の季節でないのでつぼみの姿もありませんが、葉を少しちぎるとニンニク独特の香りが辺りに立ち込めます。久しくギョウジャニンニクに出会えていませんでしたからちょっと感動しました。昔山仲間と妙高に接する焼山の尾根筋で野営をしたときにギョウジャニンニクを見つけ、持ち合わせの味噌と刻んだニンニクを切り取ってきた枝を使ってすりつぶして夕餉の一品にしたことがあります。荒っぽい料理ではあってもなかなかの逸品でした。
新潟県内ではハルリンドウはあるのかないのかあまり聞きませんが、このハルリンドウの高山型ということになっています。ひょろひょろとした花茎の根元にはロゼット葉がありハルリンドウと近縁なことが伺われます。この花、おしべとめしべの熟するタイミングがずれていて、見た目でもはっきりわかるといいます。でも、個体を見る限りどちらなのか判然としません。