森の案内人 田所清

自然観察「独り言」

オオコメツツジ

2014年08月25日 | 自然観察日記
オオコメツツジです。最近認識したのですが、新潟県内ではコメツツジ(花弁が5枚)とオオコメツツジと2種があり両種の分布が興味深いのです。オオコメツツジは苗場以南に分布が途切れている部分もありますがほぼ南から北まで県境の高海抜の山地に自生していますが、コメツツジは魚沼の県境の地域に分布していて他地域には確認されていません。山形県の分布がどうなっているの資料がないので不明ですが、オオコメツツジは新潟の分布につながるものでしょう。日本海型の分布をする種と考えています。
(糸魚川の白馬山系の種はチョウジコメツツジタイプとされます)


オオコメツツジの花

2014年08月25日 | 自然観察日記
100%ではないのですがオオコメツツジは花弁が4枚です。雄しべも花弁が4枚の花は4本です。先日、縁があって京大の元名誉教授のT先生にいろいろ教えていただく機会がありました。その中の一つが、同系統の種に花弁が5枚だったり4枚だったりする場合の一つの考え方として、「進化すると花弁の枚数は減る」という傾向があるそうで、無駄なエネルギーを使わないようになるためではないかというのです。それに当てはめれば、コメツツジを基本とすれば、日本海側に適応したオオコメツツジは一つの進化をとげ今の形質を身に着けたことになります。「進化すると数が減る」というのはいろいろなところで見られるということですが、私の認識にはありませんでしたからこれからはこの視点も使って自然観察を行っていきたいと思います。興味深い新たな発見がありそうです。

オオコメツツジの葉

2014年08月25日 | 自然観察日記
コメツツジが葉脈が1本目立つのに対して、オオコメツツジは3本の脈が明瞭になる特徴があります。分かりにくいですが、所々の葉で3脈がはっきりりているのが見て取れます。