森の案内人 田所清

自然観察「独り言」

ショウジョウバカマ

2014年08月30日 | 自然観察日記
月山に登った時期が7月で、まだ残雪が多くみられましたからその周辺がまだ早春。そんな中にショウジョウバカマがありました。見た季節もそうですが、こんな高い場所にも生育しているということに驚きです。里山の低山帯から高山帯まで生育するという極めて垂直分布が広い種です。こういう生態を持つ種も珍しい存在です。水平分布も広いようで九州から北海道まであるそうですから、日本全国どこにでもあるという話になってしまいます。まるで帰化した雑草のような印象になりますが、しかし、この花は煙たがられることもなく春告げ草として誰からも愛される不思議な花です。

ショウジョウバカマの花

2014年08月30日 | 自然観察日記
どこにでもある花とはいえ、その地域地域で受ける印象がかなり違いがあります。この春、北信濃で観たショウジョウバカマは大変スマートな草姿で越後の里山で見るずんぐりむっくりとは格段の差がありました。色合いも紫色が強く、越後の桃色が強い系統とは違っています。月山の個体は色彩や葉の細さは北信濃の個体に近い印象です。