森の案内人 田所清

自然観察「独り言」

ノリウツギ

2016年12月12日 | 自然観察日記
里山からかなり高所まで広く分布する灌木。いろいろなところで見るわけですが、どこで見ても同じ形質をしている感じがして地域的な個性に気づきません。逆にエンレイソウなど地域ごとに別の名前を付けたくなるような変異がある種もありますから、異質といえば異質です。細部を検討すれば必ず地域的な個性のようなものがあると思いますが、パッと見ではどこで見てもノリウツギです。当然なことなのですが・・。
この株はちょうど満開の状態でこれほど揃っているのに出会うのは珍しいことです。美しい!

ノリウツギの装飾花

2016年12月12日 | 自然観察日記
ノリウツギはユキノシタ科のアジサイ属で周辺には生殖をしない装飾花と中心部に多数の両性花とを持つ構造をしています。花の集団(花序)の中で分業があるかなり機能的な構造をしています。甲虫類やハエアブなどの仲間がいつもたくさん寄ってくる花で虫媒花としては成功している種だはないでしょうか。生育範囲が広いというのもそういう成功があるからかもしれません。

ノリウツギ 花が終わった花序

2016年12月12日 | 自然観察日記
花序は円錐形になる傾向があり、これはその特徴をよく表しています。それは、最初平面的な配置なのですが中軸が伸びながら両性花を咲かせ続けるためで、やがてこのようになります。