ハクサンボウフウは東北の高山をあるくとよく出会う種で栗駒山にもたくさん自生しています。花の季節と重なっていたためいろいろな段階の花序に出会えました。同じ株でも右と左ではかなりの時間差があるようで、右側の枝の花序はすでに花弁が散っていて肥大しはじめた子房にめしべが目立ちます。せいぜい70~80cmほどの多年草でときに密生するようですが登山道沿いの日当たりのよさそうな場所に顔を出します。
花の写真はよく紹介されますがほとんど触れられないのが果実の様子。ハクサンボウフウの果実は生育が進むとこのような紫黒色を帯びるようです。花より魅力的な色彩で果実の造形も手伝ってとても惹きつけられます。この後成熟するにつれ茶褐色になり生気のない枯れた状態へ進むのでしょう。しかし、多くの熟した種子を形成していますから十分仕事を終えた姿と言えますね。