森の案内人 田所清

自然観察「独り言」

ヤマタヌキランの群落

2016年12月19日 | 自然観察日記
ほぼ平坦な山道から尾根に向かうやや勾配のある登山道に変わると、火山ガスの影響でしょうかそれまでの低木帯からところどころ草原や湿地が出てきます。そのあたりにとても目立つ群落がスゲの群落。ヤマタヌキランと思われる広大な群落が開放感あふれる景観を作っていました。ほぼ単一な植生のようで草原内には他のものが混在していないようです。ササ原とかススキ原などあるいはセイタカアワダチソウの原など多様性を感じられないものがときどき見受けられるのですが、このスゲの群落にも他の種を寄せ付けない仕組みが備わっているのでしょう。しかし、好き嫌いの話を言うと個人的にはこういう草原は大好きで、色彩のある花がなくても十分満たされます。

ヤマタヌキランの花穂

2016年12月19日 | 自然観察日記
スゲの仲間も大変難しいグループで正確な分類となるとかなり怪しいので間違えている可能性を否定できません。しかし、最も近い種名であると思っています。高山にはアシボソスゲやクロスゲなど似たものが多々あります。この種の花穂の様子が垂れ下がらないなどでヤマタヌキランにするのが良いと思っています。

地獄谷近くの植生の様子

2016年12月19日 | 風景
地獄谷といわれる場所がありその周辺には火山ガスが影響したと思われる景観が広がっていて、栗駒山の登山には重要な要素になっています。イネ科やカヤツリグサ科の種の草原が広がり凹地には小さな湿原環境も見られます。

枯死した高木

2016年12月19日 | 風景
小高い場所に枯死した樹木がみられます。かなり太めな樹ですからかつてはこの地にも高木帯があったようです。白骨樹では種名はわかりませんがおそらく針葉樹でヒメコマツやコメツガなどでしょうか。

孤生する針葉樹

2016年12月19日 | 風景
遠くで何の樹種が不明ですが針葉樹の高木が1本だけ残っていました。昭和19年にこのあたりに大きな影響を及ぼした噴火があったそうです。この樹はその時の噴火で生き残ったものでしょうか。そして、この上には昭和湖という綺麗で神秘的な湖があり、栗駒山登山観光では最大の観光ポイントがあります。