森の案内人 田所清

自然観察「独り言」

マンサク(オオバマンサク)の葉

2017年10月02日 | 自然観察日記
三国山脈の県境地域、平標山の尾根はマンサクとマルバマンサクが混在する地域になっています。マンサクは主に太平洋側に生育していてオオバマンサクとも言います。新潟ではマルバマンサクいたって普通に見られる種で、日本海側の植生の代表種になっている感さえあります。その太平洋側の種と日本海側の種が共存していますからとても面白い地域なのです。松出山のい尾根にとりついて暫くして目についたマンサクの木の葉です。大きくややひし形に近い形状をしています。


マルバマンサクの葉

2017年10月02日 | 自然観察日記
オオバマンサクの株とさほど離れない場所にはマルバマンサクがありました。葉は小さくしわが多めでかなり丸みを感じます。こんなに近いところで両種は雑種を作らないのかと気にしながら登りましたが、見られる種はいづれかで中間形のような個体には気づきませんでした。気づいたことは、マルバマンサクの方が高所まで見られますがオオバマンサクはあまり高いところには生育していません。見逃したものがあるかもしれませんが・・。

マンサク(オオバマンサク)の実

2017年10月02日 | 自然観察日記
なぜ、太平洋側の種が魚沼の奥地に見られるのでしょうか。太平洋側の種が日本海側に入ってきているというような現象がこの南魚沼の地域ではときどき怒るようで、ハシリドコロやヤマジノホトトギスなどもそんな傾向のある種のように見えます。もっとも逆に日本海側の種が群馬県の水上地域など県境に近いところで起こっている可能性もあります。植物が分布を広げるのは大きな川沿いに移動するのが分かり安いのですが、山越えをして分布が広がるというのはあまり考えにくいのですが、三国の山域程度の高度はまだ可能な範囲と考えてもよいようです。さらに違った要因も考える必要があるとは思っています。

マルバマンサクの実

2017年10月02日 | 自然観察日記
マルバマンサクも実をつけています。同じころに開花して結実する種ですから、互いの稔性は不和合でも近縁種、時には受粉が成立するということが起こるような気がします。丁寧に探すと雑種が見つかるのではないでしょうか。葉と違い果実ではまだ両種を見極めることができません。とてもよく似ています。