森の案内人 田所清

自然観察「独り言」

イワナシ

2017年10月07日 | 自然観察日記
高山帯に差し掛かるころから登山道の脇のえぐれた場所などにササに隠れるようにしてイワナシが結構たくさん見られました。もっとも、ササに隠れるというのは人の目線からで、しゃがみ込んでイワナシを見ると十分な空間にそれほど日陰でもない場所に生活しています。ササの葉はむしろイワナシを上から庇のように雨を避けるような格好です。

イワナシの実

2017年10月07日 | 自然観察日記
花の季節は終わっています。今は果実の季節。花と違って果実はどういうわけか目につきにくいもの。しかし、今回は必至で実を探してみました。イワナシは「岩の梨」。食べると美味しいという話を聞いていましたが、なかなかタイミングが合わずにしっかりと味見をしていませんでしたから、ちょうどいい機会と判断して、「今回こそは!」と意気込んでいたのです。食べました。確かに美味しいものです。ただ、ちょうどよい果実でないと酸味が強い感じで、また熟しすぎると食べるような状態ではないので、適期の果実を見つけるのが難しい。何度か口にして見極めたこと。果実の果皮を剥くと表面がゴマ塩のような種子が浮き出ているのがちょうどいいようです。これで、もう一つ山の恵みを得ることができました。次回山登りをしたときの楽しみになります。

イワナシの新葉

2017年10月07日 | 自然観察日記
果実の季節にイワナシは新葉を展開してくるようです。一月ほど前の花の時期も花と共に芽吹いているのでしょうが、この季節の葉がいづれもいわゆる「銅葉」で赤紫色を呈しています。高山に生活する個体群ですからかなり紫外線に対する備えをしているのかなぁと感じました。