深山の林床で時々観てきたミヤマシグレです。実は新潟県内での観察は決まって長野県との県境付近で、群馬県との県境付近では初めてです。そこで、県内の分布を調べてみました。苗場山から谷川岳・越後三山を中心に上信越の県境の高山に多くの採取例がありました。意外にも阿賀野川沿いや弥彦山塊、県北中条あたりの低地にも記録があります。比較的珍しい種ですから分布の偏りや必ずしも高山にある種でもないあたりが興味深い点です。
ミヤマシグレは花と言っても全然目立ちません。小さな白い点が花に相当するものでしょう。赤くなっているのは花の後の成長しはじめた実らしい。 ミヤマシグレはガマズミの仲間で、今ではレンプクソウ科として分類されるもの。花は目立ちませんが果実は秋には赤い美しい実になります。1mに満たない低木で地を這う枝からまばらに立ち上がった枝が出ます。平標山の1500m辺りの林の中に見つけました。「シグレ」はガマズミのことを「シブレ」というのだそうですが、それが変化して使われているようです。
登り始めの頃に見たミヤマガマズミです。葉には光沢があります。ミヤマシグレに似た葉をしていますので比較のために載せました。果実の成熟するタイミングは多少異なっているようですが、秋にはいずれも赤い綺麗な実になります。