登山道沿いに時々姿を見せるのがクルマユリ。高山植物扱いされるクルマユリの画像は高原の草原に咲いているものをよく見かけますが、ここでは林の中、あるいは登山道わきに生育しているのが見られます。しかし、山頂近くに行くとササ原に咲いている個体もありました。実はクルマユリは新潟では里山でもしばしば見かける種で生育する環境はかなり広い種のように見えます。低山帯から高山、やや光条件の悪い雑木林から明るい草原帯まで見られます。もちろんどの環境でも個体数は少なく貴重な種であることには変わりません。
コオニユリより小ぶりで色も幾分薄い感じがします。花弁には斑点が出る。栄養の良い里山のクルマユリは1株に10個以上の花が付くこともあります。しかし、しかし、平標のクルマユリはどれも花数は少なく数個どまり。
クルマユリの葉は名前の通り茎の途中で車状になっています。この位置は草原などでは競合する他種の葉の位置に同じか少し上というのが重要な点で、他種の葉の位置より低ければうまく生育できません。クルマユリの葉の付き方を見ると、車状になる位置より下に付く葉もありちょうど適する位置に葉が集まって来てこのような形質に進化してきたように見られます。