花もなく小さくきわめて地味な存在なのですが、ヒゲネワチガイソウが目に留まりました。ナデシコ科の多年草で、分布はあまり広くなく新潟・福島や北関東あたりとされる種です。近縁のワチガイソウは西日本に分布の中心があるようですが、この種はやや北に適応した種のようです。山麓部の登山道脇の覆う草のない場所にポツンポツンと確認できました。もう少し日当たりが好きなのでしょうが、この林の中ではそのような場所はなさそうです。ギャップなどができたときの日当たりのよい場所ができるときっとワッと生育してくるのではないでしょうか。
この種も地味な存在かもしれません。亜高山帯で見られるオオバノヨツバムグラも見られます。やや幅広の4枚の葉が輪生するのが特徴で小さな花ながら色彩の関係か案外目に入って来ます。平標山は針葉樹林で覆われる森は見られません。亜高山と言ってもブナ帯の上部ということになります。しつこく密植するような種ではありませんから印象はいい方かもしれません。