稜線で目立ったアザミがオニアザミです。新潟県内の高山の頂部や稜線上ではかなり一般的でしばしば遭遇します。群生しているということはないのですが、点々と自生していてかなり自己主張しているため目立ちます。名前の通り棘が痛くてまさに「鬼のよう」。花の季節ですから花だけ見ている分には大いに癒される存在です。
オニアザミの分布は日本海側の山地の草原というのが一般的な言われ方です。植物同好じねんじょ会の資料によると、新潟県内の水平分布では県境に沿って北から南まで一定の範囲で帯状に見られます。それを素直分布に直してみると海抜数十mから2000m辺りまでほぼ連続的になります。その理由を調べてみると、阿賀野川沿いと県北の村上などで低海抜の記録が集中していますが、平標などの中・上越の県境はすべて高所の記録になっているのです。面白い分布をしている種であることが分かりました。