長らく出会いたいと思っていた花に出会えました。深山の湿潤地に見られるカリガネソウです。県内での自生も極めてまれで産地も限られているようです。やや大型の草本でシソ科の多年草。花の形が何とも言えない造形で見とれてしまいます。
カリガネソウの花は夏から秋にかけて咲く花。ちょうど先初めのタイミングで出会ったことになります。青い花が沢山つくと圧巻なのですが、まだぽつぽつと花がある状態。それでも、造形の美しさに見とれてしまいます。この花、実はハナバチなどの昆虫が吸密に訪れるとしべが虫の背中にスタンプのように押し当てられる仕組みになっていてなかなかの巧者(曲者)なのです。おまけに花の咲く頃から開花期は何とも言えない匂いがして、花の美しさには似つかわしくないのです。仕方ありません、人のためにある花ではなくあくまでポリネーターを引き寄せ受粉させる目的での花ですから。
ボクシングのグローブのような形のつぼみがたくさんありました。これらが一斉に咲く所を見てみたいところですが、まだまだ先の段階。林の中にあった株で個体の密度も多くありませんから、花序は横に広がったような形状でした。