先月下旬に越後の里山を飾った素晴らしい花です。この花とタニウツギの桃色の花がコラボして実にいい感じでした。しかし、なぜか話題にならない花ですね。カタクリが一面に生える景観を賛美するのに対して、ヤブデマリが里山の谷筋を埋め尽くす景観は遜色ないと思うのですが・・・。越後がもっと誇ってもいい景観だと思います。タニウツギとヤブデマリの景観をもっと見た目よく整備する必要があるかもしれませんね。少々樹形が乱れやすい木ですから。雪国の灌木はどれも地を這う姿で樹形は美しいとは言えないかもしれませんが花はどれも素敵です。
花は大型で見ごたえがあります。色はまさに雪の色。いいですね。
太平洋側にはヤブデマリがありますが、やや小型で葉などにはもそもそとした毛がたくさん生えています。ガマズミやヤブデマリの毛の有り無しについては分布のありようと併せて考えると面白い現象があるようです。もう少し観察してみたいですね。
太平洋側にはヤブデマリがありますが、やや小型で葉などにはもそもそとした毛がたくさん生えています。ガマズミやヤブデマリの毛の有り無しについては分布のありようと併せて考えると面白い現象があるようです。もう少し観察してみたいですね。
林の中を歩いているとイタドリの白化個体に出会いました。完全に白い個体です。お見事というくらい純白です。高さ60~70cm。全く葉緑素を持たない個体のようですから、ここまで成長できたことに驚きです。近くに同様の個体はありませんでした。これ一本だけ浮いています。
地下茎でつながっている株なのでしょうか丁寧に調べませんでしたが、そういう可能性はあります。そうでなければここまで大きくなれる説明ができませんね。植物は独立栄養生物ですから・・・。
地下茎でつながっている株なのでしょうか丁寧に調べませんでしたが、そういう可能性はあります。そうでなければここまで大きくなれる説明ができませんね。植物は独立栄養生物ですから・・・。
案外人気が高いフタリシズカ、話題に上るころから少し遅れて多くの花が見られました。にぎやかな春の花々が終わりかけた頃に人知れず咲いているといった風情です。ヒトリシズカと同じ仲間ですが花弁の形状の差で花の感じが全然違いますね。花茎は3本や4本もたまにあります。結構杉林で多くみられますね。
高山にも見られるオオバスノキです。県内各地に自生はしているものの久しぶりに出会ってちょっと感動ものです。花はもっと赤みを帯びるのもが多いような気がしますが、この株は緑色でした。緑が濃くなってきた季節ですから、葉と花の区別ができにくい花を咲かせても支障のないお目当てのポリネーターはどういう虫なのでしょうか。秋には果実は黒く熟し食べられます。でも、この種は花が多くついている個体を見たことがないのでナツハゼのように実を沢山収穫するなどということができません。
久しぶりにエビネの自生地を点検に行きました。前回は4年前、個体群の大きさはほとんど変化がありませんでしたが、開花株が少なくボリュウムにかけます。取り巻く環境はさほど変化していないようでしたから、何もせずそのままにしておきました。険しい場所ですから人が簡単に立ち寄れることはないとおもいます。同じような環境がみつかれば株の一部を移植して絶滅から逃れさせる手立ても必要ではないかと考えています。県内の自生地は私が把握しているのは唯一ここだけ。安易に人に教えることはできません。最近の気象の変動が大きいのが気にかかります。絶滅危惧種に与える負荷が増大しているからです。大雨で土砂の崩落などが起これば一瞬のうちに死滅してしまいます。
エビネは神奈川や静岡の里山で何度か見たことはありますが、県内ではきわめて少なくまず出会えません。高所にサルメンエビネは少数ながら自生地を把握しています。しかし、エビネはないですね。花は整った形ではあっても素朴な色彩でどことなく哀愁を帯びて見えます。消えゆく種の悲しさでしょうか・・・。結実し散布された種子が拡散し生き残ってくれればいいのですが・・・。
白根山の麓草津に広がる山域は知る人ぞ知るシャクナゲの群落があります。シャクナゲは全国各地に様々な種が自生しまとまった群落も点在しているようですが、私が知る比較的大きな自生する場所です。あいにく山頂域は花はなくもくもくとした葉の重なりが特徴的で独特な景観を作っていました。
白根山域のシャクナゲは2種あってそれが混生しています。葉が広く裏面にはあまり毛がなくやや薄い色の花を咲かせるハクサンシャクナゲ、葉が細めで裏面には多くのくも毛様になっていて花の色も濃いアズマシャクナゲです。花はやや小ぶりでしょうか。
高度を下げるに従い花が見られました。アズマシャクナゲです。しかし、今年は花芽の付き方がいまいちで花も点在する格好です。この頃には場所によってはシャクナゲの花で埋まるといわれる場所なのですがそういう光景は今年は無理かもしれません。シャクナゲは庭木や公園木に多く利用されていますから、花を見るのはむしろそういう場所の方がいいかもしれませんが、自生のシャクナゲの圧倒的な花群落をこの目で見てみたいと思いながらいまだ果たせずにいます。三河のホソバシャクナゲや屋久島のヤクシマシャクナゲなど著名な種がありますね。遠い昔、屋久島に渡った時の宿泊したホテルに圧巻の花群落のポスターがいまだに目に焼き付いています。
ハクサンシャクナゲもアズマシャクナゲも花弁は5枚。7弁のホンシャクナゲが新潟県内にわずかに自生しています。
ハクサンシャクナゲもアズマシャクナゲも花弁は5枚。7弁のホンシャクナゲが新潟県内にわずかに自生しています。
深山から亜高山にかけて自生するツツジ科の低木です。葉が展開すると同時に花を咲かせます。志賀草津道路からの下りで見つけました。上部はまだ開花したてですが降りるに従い花もしっかりして個体数も多くなってきました。新潟県内でも県境の脊梁山脈で点々と自生しているのを確認をしていますが、実は花を見るのは今回が初めてです。県内ではそれほど多い種ではない気がします。結構早春の花ですから、県境の山に登っても開花の時期には間に合わなかったかもしれません。
かわいらしい花ですが、なぜか歪んだ形をしています。普通自然界にあるものは整った形のものが多いのにどれもこれもひしゃげています。その一点を見れば理解しがたい形質で、いったいどういういきさつがあったのか興味津々といったところ。上手い解釈の仕方が思いつきません。
葉と花が一緒に伸びだしているのはクロウスゴと思われます。花の形からはそう思うのですが、花の季節が少々早いのが図説の解説と異なります。葉も展開しきっていませんから同定には少し疑問が残るのですが、全体の雰囲気はクロウスゴでしょう。今までももっと高山で見かけて、黒く熟した実をついばむことが多かったのですが、早春の姿はこれが初めて。ここはかなりの高山だということがわかりました。