今回気づいたことはミズバショウの葉に斑入りの葉があることでした。斑入りといってよいのかやや疑問な点がありますが、単一な緑色をしている普通葉とは異なり、細長い黒っぽい文様が波状に葉の全面に見られるものです。気を付けてみていると結構多く存在していて場所によってはまとまった群落になっているところもありました。その後、月山の山麓など全く別の山で見かけたミズバショウも同じ文様を持つ個体が存在しています。ネットで「斑入りミズバショウ」として売っているのを知りかなり一般的なもののようですが、私の周りでは今まであまり話題に出て来ませんでしたから新鮮な感じを持ちました。馴染んでいる種でも知らないことは多いものですね。
絶滅危惧種(Ⅱ類)のナガバノモウセンゴケです。極めて貴重な高層湿原の種。木道下に見えました。雪消え間もなくの湿原でまだ展葉する種も少なく見つけやすい季節。しかし、赤味を帯びた食虫葉は背景に紛れて比較的見つけにくい状態。まだ花の季節ではないので花を観察できなかったのが少々残念です。
モウセンゴケと同じように葉に腺毛がたくさん出ています。虫を捕まえる方法はモウセンゴケと同じ。なぜ、長い葉のモウセンゴケが生まれたのでしょうか?モウセンゴケの一つの変異として生じたものが尾瀬と北海道の湿原にのみ生き続けているとういう事実。デリケートな性質で環境の変化に弱いということなのでしょう。乾燥化が進んでいる尾瀬の湿原、ナガバノモウセンゴケにとっては試練の時が近づいています。
別名ミヤマエンレイソウ。白い花のエンレイソウが見られました。
実は、白いエンレイソウは私にとっては大切な青春の思い出を呼び起こしてくれる花で、昔々サロベツで観たオオバナノエンレイソウの白い花の大群落が目に浮かびます。青春時代の花旅の数々の場面がある中で、雑木林に広がるエンレイソウの景観は五本の指に入るでしょうか。これに付随するいくつかのエピソードも添えて。
本州ではこれに匹敵する場所はないのか耳にしません。種も花弁が細めのシロバナノエンレイソウでサロベツの種とは異なることをだいぶ経ってから知りました。最近ときどき白いエンレイソウを見るようになってはいますから、その都度昔の思い出に浸っています。
実は、白いエンレイソウは私にとっては大切な青春の思い出を呼び起こしてくれる花で、昔々サロベツで観たオオバナノエンレイソウの白い花の大群落が目に浮かびます。青春時代の花旅の数々の場面がある中で、雑木林に広がるエンレイソウの景観は五本の指に入るでしょうか。これに付随するいくつかのエピソードも添えて。
本州ではこれに匹敵する場所はないのか耳にしません。種も花弁が細めのシロバナノエンレイソウでサロベツの種とは異なることをだいぶ経ってから知りました。最近ときどき白いエンレイソウを見るようになってはいますから、その都度昔の思い出に浸っています。
山ノ鼻に1株わずかに色づいたシロバナノエンレイソウを見かけました。例えばヤマボウシの純白な花に対して赤味を帯びた花が出現するのに似て、シロバナノエンレイソウも有色体を持つようになった変異でしょうか。
ところで、シロバナノエンレイソウは内花被片と外花被片(がく)があって、内花被片が白い色。同属のエンレイソウの花は外花被片(がく)だけで内花被片を欠いています。
ところで、シロバナノエンレイソウは内花被片と外花被片(がく)があって、内花被片が白い色。同属のエンレイソウの花は外花被片(がく)だけで内花被片を欠いています。
今回の尾瀬で一番の収穫はシウリザクラの開花期に遭遇したことでしょうか。ウワミズザクラに似た大型の花序。かなりの大木になって見上げると白い花がたくさんついています。初めて見るものですから、最初に浮かんだのがイヌザクラ。しかし、イヌザクラはどちらかというと西日本の種でこれにあてはまりません。シウリザクラという名前は図鑑で憶えていましたからシウリザクラで調べてみるとこれに合致します。尾瀬の地内にシウリザクラが普通に自生していることを初めて知った次第です。
灰褐色で滑らか。ウワミズザクラに比較的似ています。
山ノ鼻の施設が立ち並ぶ場所にこのシウリザクラが実にたくさん自生していました。しかし、大木でもあり葉も展開していてかつ花が地味で目立たないせいでしょう、サクラの樹に囲まれていることにほとんどの人は気づきません。こんなにたくさんの花が咲いているのに・・・です。
山ノ鼻の施設が立ち並ぶ場所にこのシウリザクラが実にたくさん自生していました。しかし、大木でもあり葉も展開していてかつ花が地味で目立たないせいでしょう、サクラの樹に囲まれていることにほとんどの人は気づきません。こんなにたくさんの花が咲いているのに・・・です。
何回も尾瀬地域に足を運んできたとはいえど5年ほどは1~2回程度。それも沼山峠方面からで、尾瀬ガ原を歩くのは本当に久しぶりです。それに、6月の尾瀬ヶ原は過去に1度経験がある程度です。今回の尾瀬散策で最大の感想は「乾燥化が著しく進んだ」ということです。その主たる原因がこのヤチヤナギにあるようです。かつてはミズバショウの花が延々と続いていただろう場所には花の季節は過ぎていたとはいえほとんど見られず、代わりにヤチヤナギの低木が延々と広がっているという風情です。まだ芽生えたばかりのヤチヤナギですが、やがて一面を緑の葉で覆い尽くすことになります。
木道脇のヤチヤナギを写しました。どうやら雄花の様で、葯がたくさん見えます。ヤナギの仲間は雌雄異株ですから雌株は別に存在しています。樹高せいぜい50cm程度でスゲ類やミズゴケ類を中心にした湿地に根を下ろしています。ヤチヤナギが生育する場所には水路は見られず、水際の好きなミズバショウは生育することはできません。