森の案内人 田所清

自然観察「独り言」

ガンコウランの葉

2016年12月25日 | 自然観察日記
ガンコウランは雌雄異株ですから夏の果実の頃に出会ってもまるで果実のない株とびっしり果実の付く株があります。どこからどこまでが一つの株かわかりにくいのであまり気づかれないようですが、この株は雄株で果実は全くありません。葉はツツジ科の例えばツガザクラなどにいていますからツツジの仲間に加えられても頷けます。

イブキセリモドキ

2016年12月24日 | 自然観察日記
シラネニンジンに比べ花序が貧弱であまり存在感がないセリ科植物。個体は結構あるのですが人知れずあるという感じです。花も小さい感じで密度がないため周囲の草木に埋もれています。

イブキセリモドキの葉

2016年12月24日 | 自然観察日記
ややわかりにくさがありますが小葉の先端が尖り気味でシラネニンジンの葉とも質感で異なります。ところで、「もどき」ですからイブキセリという種があると思っていたのですがその正体がわかりません。イブキセリモドキを別名でイブキゼリと解説しているところもあって、なぜ「もどき」となるのかが説明されていません。同じものならなんでこんな紛らわしい名づけを行っているのでしょうか。

シラネニンジン

2016年12月23日 | 自然観察日記
せり科の植物では先日ハクサンボウフウを取り上げました。栗駒山で見かけたセリ科植物がもう二種。高山帯では定番の種かもしれませんが、その一つがシラネニンジンです。比較的花の密度が高い花穂をしている種です。あまり大きくはならずそれでも数十センチにはなるでしょうか、白い花を密につけた花穂がところどころにらわれます。

シラネニンジンの花序

2016年12月23日 | 自然観察日記
正確には複散形花序というのだそうですが線香花火をたくさん組み合わせたような形状をしています。せり科の花に特有な形質で、種も多いため花序だけではよくわからないケースがままあります。しかし、シラネニンジンの花序は言葉では言い表し難いのですが独特の丸みを帯びた質感でインプットしています。花のない時期は葉などと組み合わせないと判断は難しいものです。

イワカガミ

2016年12月22日 | 自然観察日記
名残が原湿原で目立ったものにイワカガミもありました。すでに花はないのですががく筒が赤く色づいていてそれがかなりの密度で生育していましたから、「何という花ですか?」と質問をされまさに花がさいているものと勘違いされておられる方もいました。花も素敵ですがその後の姿も人を魅了するわけですから隅におけない存在です。

イワカガミの葉

2016年12月22日 | 自然観察日記
葉に鋸歯がありますからイワカガミです。時に岩場、山岳道路では切通のササ原の根元にもしばしばみられます。乾燥するような場所から湿地まで幅広い環境に適応していると考えられます。栗駒山でもこの湿地ばかりでなく各所に生育するのを確認しています。概して高山帯は雲や霧で空中湿度は高いことが多く、岩場といっても水分の補給は十分あると考えられますから低山の岩場とはかなり異なるのではないかと思われます。

キンコウカ

2016年12月21日 | 自然観察日記
高山の湿原には定番のキンコウカもたくさんあります。花の季節でしたから湿原ばかりでなく多少傾斜地でも湿ったところに花をつけた個体がつぎつぎに目に入ってきます。群生する習性がありますからまとまると圧巻です。ただ、栗駒山の登山道沿いにはいくつかの群落はありましたが圧巻というほどのところはなく小規模の群落にとどまっていました。

名残が原湿原

2016年12月21日 | 風景
名残が原湿原と名付けられた小さな湿原。ここにもキンコウカがたくさん見られます。あいにく霧がかかった時でしたからキンコウカの鮮やかさがかすみがちです。

ヒメノガリヤス

2016年12月20日 | 自然観察日記
イネ科の種も多々あるのですが地味なことと十分理解できていないことでついつい敬遠がちですが、少しだけ取り上げます。今回目立ったものがヒメノガリヤス。ところどころ登山道わきにふさふさとした穂を見せていていました。ムツノガリヤスより疎で優しい感じがします。