葉物野菜の殆んどには防寒を兼ねた防虫網をかけてある。その一角に赤トンボとアブが日向ぼっこをしていた。赤トンボの頭は赤くもないのが日本特産種のアキアカネ。個体数が減少しているのが心配だ。それ以上に、仲間からはぐれた孤独なトンボなのだろうか。
そう言えば長渕剛が歌う。「ああ、しあわせのとんぼよ、どこへ。ああ、しあわせのとんぼがほら、舌を出してわらってらぁ」と。さらに吉田拓郎は、「死に忘れたとんぼが一匹石ころにつまづきました。なんでもないのに、あぁ泣きました」(線香花火)と、感性あふれたナイーブさがありながらも、わかったようなわからないような歌詞にトンボが登場する。
トンボの隣に、アメリカミズアブ(ミズアブ科)も喧嘩せずじっとしている。オイラが近づいても動かない。やっぱり昼寝なのだろうか。幼虫、つまり蛆虫はペットなどに栄養ある飼料として注目されている。眼はメタリックで、アメリカ原産の帰化昆虫。ひょっとすると、畑のコンポストから成長して成虫になったエリートだったのかもしれない。