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山里に生きる道草日記

過密な「まち」から過疎の村に不時着し、そのまま住み込んでしまった、たそがれ武兵衛と好女・皇女!?和宮様とのあたふた日記

足1本 首なし の水鳥発見!?

2016-02-09 19:41:05 | 生き物
 陽射しは暖かいが風はまだまだ冷たい。
 公園の池ではよく見かける水鳥がいた。
 近寄ってもまったく逃げない。
                       
 陽のささない場所では、足が1本、首を背中に埋めている「カルガモ」がいた。
 もう1本の足がまったく見えない。
 まるで飛行機が飛び立った時に車輪を格納したみたいだ。
 冬ならではの光景だ。

                    
 隣の池ではカルガモが一列縦隊で整列していた。
 寒いのであまり動かないが、それぞれ勝手に位置しているというより、ほぼ等間隔を保ちながら1列で整列しているのに感心する。

 心臓に難ありの和宮様は、きょう元気に退院した。
 集中治療室に1週間、一般病棟に2週間、のまる3週間からの生還だ。
 さいわい、手術しないで安静を続けてきた。
 しばらく、川崎宿で過ごすこととなる。    
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スピルバーグの「ブリッジオブスパイ」を観る

2016-02-08 20:00:21 | アート・文化
 米ソ冷戦時代の実話をもとに、スパイ交換に成功させた弁護士の物語だ。
 スピルバーグはすでに「シンドラーのリスト」で現代史を切り取った映画化に成功している。
 「シンドラー」ほど破天荒なストリ-ではなく、ある意味では地味な積み上げで構成していた。
 それは弁護士らしく法律にのっとった事実を積み上げ、相手の信頼を獲得していく過程でもあった。

                            
 ソ連のスパイ・アベル役のマーク・ライアンスは、無機質な表情を見せながら初志を貫徹する演技を好演する。
 もちろん、主役の弁護士ドノバン役のトム・ハンクスは、内面からあふれる誠実さと情熱をひたひたと表現していた。
 圧巻の場面は、ソ連国境で撃墜されたU2型偵察機の操縦士とアベルとが、ベルリンの壁が建設されるなかで、ドイツの「グリーニッケ橋」で交換されるシーン。

                   
 米ソ双方の工作活動を暴露するところは冷静な視点が画面に流れていく。
 そんななか、死刑の声が世論だったアベルを弁護し、捕虜交換でソ連・東ドイツと渡り合うドノバンの行動力にアメリカのもうひとつの良心を反映させるのに成功させている。

           
 ドノバンのその後は映画ではテロップだけだったが、カストロ政権侵攻のアメリカ兵士1000人以上の解放も成功させている。
 それを裏付けるルーツは、このスパイ交換事件の手腕にあったと監督はいいたいのだろう。

 日本ではこうした現代史を重厚に映画化するのはまだ発展途上だと痛感する。
 強いて言えば、山本薩夫の「人間の条件」とか熊井啓の「日本列島」くらいかなー。
 イデオロギーからではなく人間の内面から歴史を告発・継承していくことを期待したいが。

日本の多くのメディアは、歴史というと戦国時代の勝ち組ばっかしとりあげ、現代史を回避する。
 辺見庸が告発したようにメディアの体制追随の責任は大きい。
 スピルバークがめざした崇高な精神で洗濯が必要な能天気日本よ、芸能情報のゴシップに魂を奪われるなよ。
                      (画像は東宝のパンフレットから)
                           
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いつ見ても掃除している風景

2016-02-07 19:26:05 | 路上観察
 赤信号で車を止めたら掃除している女性の気配を感じた。
 よーくみたら、壁に書いてある絵だった。
 掃き掃除でもなかった。
 いつ見ても水まきしていつもきれいにしている。
 いいね。
                         
 しかし、この女性は何も語らず掃除ばかりに専念している。
 となりが居酒屋であるのも組み合わせとしてわかるようでわからない。
 当たり前の風景の中でひょいとやってきたシャドウレディは何者なのだろうか。
 北斎の波涛を撒くとは逆に水浸しになってしまうのではないか。

                        
 ときどき通る街中で発見した電柱に枝が生えていた。
 どうやら、つる性のアメリカノウゼンカズラのようだ。
 しかしうまい具合に電柱を友とするとはね、いつもつる性植物に手こずっているオイラとしてはしばし感心するばかり。
 
 
 
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辺見庸『もの食う人びと』の凄絶な彫琢(チョウタク)

2016-02-06 18:58:17 | 読書
 以前、ジャーナリスト齋藤茂雄のルポルタージュを読んでルポルタージュとジャーナリスト精神の深さを知った。
 今回、辺見庸『もの食う人びと』(角川文庫 1997.6)を読んで、齋藤茂雄を凌駕するほどの迫力に引き込まれた。
 テレビには露出しない辺見庸は語る。

 「高邁に世界を語るのでなく、五感を頼りに<食う>という人間の絶対必要圏に潜りこんだら、いったいどんな眺望が開けてくるのか。それをスケッチしたのが、この本なのだと思う。」

                              
 さらに、世界のf現場に旅たつ理由として、「体中に詰まったデータやら数値やら分析情報やらをことごとく吐き出して、窒息していた感官のすべてを蘇らせたくなったのである」と。
 その現場とは、冷戦体制が崩壊していく90年代のアフリカ・東欧の飢餓・紛争地、チェルノブイリの放射能汚染地域、残留日本兵が人肉を食べたというミンダナオ島、従軍慰安婦や儒者と共にした韓国など。 

               
 食べるという生きる根源の行為は、悲しみが喜びが絶望が格差がないまぜになった坩堝。
 そこから辺見庸は、
 「世界にはいくつかの中心的場所があり、それらにともなう周縁があるという、パワーゲームを重視するマスコミ的世界イメージが、旅路が深まるにつれて、いつの間にかどこかに吹き飛んでしまったのだった。」 

                              
 そして、告発する。
 「私の舞い戻ってきた高度消費資本主義のこの国は生半(ナマハカ)ではない。
 この国のありようにまつろわぬ異なった感性を巧みに奪い、無と化し、均質化することにかけてはなにしろ驚異的能力の持ち主だからだ。
 一切の価値も意味も商品化と消費にしか還元しないがゆえに、人が食いかつ生きることの本来の価値と意味のすべてをぼろぼろと剥落させてしまった」と。

     
 解説の船戸与一は、「国家は本源的蓄積を終えると意識の収奪に取りかかる。…その収奪機能を担っているのが巨大メディアであることは論をまたない。
 辺見庸はこのルポルタージュを書くことによってそれをぶち壊そうと試みた」と分析したが、おおいに納得するところだ。

 本人は、出会った群像の顔を忘れまいと、平然と生きている自分に自責の念をきわめて謙虚にいだいている。


 

 
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食べられる「芽かぶ茶」

2016-02-05 20:40:38 | 特産品・モノ
 「海と森のめぐみ」をふまえた「芽かぶ茶」を飲む、食べる。
 「海と山は ちごとるようで 同じなんじゃ 山の森の栄養は 海に運ばれ 海の森の恵になる ほじゃけん うまいもんができる すごいのー」
 という言葉がパッケージに明示されている。

                          
 マグカップに入れて熱湯を注いでから飲み干すと からだに温かさがするりと伝導する。
 残った昆布を食べると 濃厚な昆布味と香りが充満する。
 
 愛媛県松前町の株式会社「昆布森」のコンセプトが快い。
 芽かぶのエキスが寒さを越えようとしてくれる。
 
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ホワーイ? 手巻きのかりんとう!?

2016-02-04 21:45:37 | 特産品・モノ
 かりんとうをいただいた。
 オイラが「かりん党」党首(現在党員1名)であることがバレてしまったのだろうか。
 とにかくジャンボなのだ。
 かさばる袋を開けてみる。
 この1枚全部を食べるだけで顎が疲れる。
                              
 歯がわけありなので、手で割りながら煎餅のように食べる。
 そういえば、この形には見覚えがある。
 大きさはこの10分の一くらいだけど、味はほぼ同じだった。
 これをかりんとうと称するには納得にやや時間がかかる。

            
 やはり、黒糖が本流でしょ。
 製造は岩手県釜石市。
 高齢者の歯には危ないが、子どものおやつには食べがいがある最高の贈り物。
 小さく割りながら毎日いただく。
 ごちそうさまー!!!!!
 やっぱりうまーい。
 
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「人生の約束」で竹野内豊が選択したこと

2016-02-03 19:49:40 | アート・文化
 いま話題の映画「人生の約束」を観た。
 社長役の竹野内豊は、利益優先まっしぐらで業界屈指の会社にするが、会社創立をともにした親友さえも追い出してしまう。
 しかしその路線に陰りが出てきたとき、親友の死に出会う。
 親友が大切にしてきた故郷、富山県射水市の漁村を訪ねる。

                             
 そこは、海越しに3000m級の立山連山がどんと鎮座する。
 そして、360年の伝統がある勇壮な「曳山祭り」が人と人とを「つなぐ」。
 それを担う精悍な漁師役の江口洋介が好演し、社長の生き方を糾弾する。
 親友の娘役の高橋ひかるは、美少女コンテストでグランプリを獲得し今回が映画デビューとなる。
 
                           
 その娘が社長の進むべき方向を示唆する黒子となってストーリーを誘導する。
 悪役の町内会長は脇役の柄本明が演じるが、やはりいちばん演技力が圧倒している。
 圧巻の「曳山祭り」に社長も参加して今までの生き方を変更していく。

 テレビドラマ「池中弦太80キロ」の演出で有名な巨匠、石橋冠監督の問題提起は、ある意味ではシンプルに一人ひとりに問うている。
 「現状の閉塞した日本、潤いを失っていく人間関係の進行に、あなたはどうするのか」と。
                      (画像は、東宝のパンフレットから)

 
     
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寄り添って大木となる

2016-02-02 17:06:34 | 自然観察
 風は冷たいが陽射しに押されて県立公園によってみた。
 照葉樹林のシラカシ林が残っていること(極相林)、つまり森の最終の姿が見えるという里山だ。 
 遠い将来、この森はシラカシ林が朽ちて荒地となり、そこに木が生えだし、森が再びスタートしていくという。

 そこには、仲睦まじいめおと林が少なくない。
 お互いを排除することなくともに成長してきた歳月が刻まれている。

                            
 ときには喧嘩したりしながらも、結果オーライの円満な熟成が漲っている。
 樹皮はミズキに似ていて、触ってもスベスベしている。

    
 都会の中にある県立公園なので利用者の都合が導入され過ぎているキライはある。
 しかしその中でも大木は、枯葉を周りに集めて栄養補給をしっかり堅持しようとしている。
 さすがに風雪に耐えてここまで来た。
 
 立派なカメラや双眼鏡をかついだおじさんたちが颯爽と野鳥を追う。
 園内を早足で歩く超おじさんや遠足でやってきた幼児らが交差する。
 街中にいる高齢者より、ここにいる高齢者は元気であるように見える。

 そこには、生命力ある樹木や草花が待ってくれるし、野鳥や昆虫の暮らしがあるし、何よりも空気が体内を浄化してくれる。
 そしてそこには、気心知れた仲間がいる。
 
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『銀の匙』の裏表紙のコピーも秀逸だ

2016-02-01 22:19:32 | 読書
 『銀の匙』を読み終えた安心感か、全13巻をつい積んでおいたままだ。
 うかつにも、各巻の裏表紙には12行ほどのコピーが綴られているのを知る。

 ●「ここ一番の大舞台…
  そこに立てなかった役者は もはやピエロですらない。
  夢を持っている者も 夢を持っていない者も
  それぞれに戦いがあり、 それぞれに挫折があったりする。
  それが青春ならば… エゾノーは、青春の吹き溜まりだ。
  八軒の流す汗と涙は、熱くて苦い…」(7巻)

                         
 ●「夢なんて語るやつがウザったかった。
   目標を持っているやつにムカついた。
   そんな自分が嫌いだった。
   今は違う。
   北の大地で過ごした一年は、伊達じゃない。
   やりたいことが見えてきた。
   厳しい冬を越えて どれだけ成長したのかを
   一番知りたいのは、八軒だ。」(12巻)
   

                        

 ●「逃げてきた過去がある。
   頑張っている今がある。
   牛乳は、誰かが育てた牛から
   誰かが搾り、誰かが届けてくれている。
   酪農が教えてくれたこと。
   どこから来て どこへ行くのか…
   来し方も 行くすえも どっちも大事。
   八軒勇吾、未来のために 過去と向き合う…」(9巻)

                        
 ●「なんだかんだキツイけど 酪農って楽しい!
   農業って案外いいかもしれない!
   そう思っていた…
   でも、現実は素敵ななことばかりじゃない。
   苦しくて悔しくて どうにもならないこともある。
   夢が散っていく瞬間を 目の当たりにしたとき、
   それでも強くありたい。
   そう思えるだろうか…」(8巻)

 熱い思いがみなぎる魅力的なセンテンスが胸を突き動かす。
 その思い入れが本の装丁のところどころに顔を出している。




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