MASQUERADE(マスカレード)

 こんな孤独なゲームをしている私たちは本当に幸せなの?

『マリア様がみてる』 80点

2011-01-26 23:38:05 | goo映画レビュー

マリア様がみてる

2010年/日本

ネタバレ

‘サファイア問題’について

総合★★★★☆ 80

ストーリー ☆☆☆☆☆0点

キャスト ☆☆☆☆☆0点

演出 ☆☆☆☆☆0点

ビジュアル ☆☆☆☆☆0点

音楽 ☆☆☆☆☆0点

 それほど期待していたわけではないのであるが、予想を超えた良い出来である。一般受けするような作品ではないのであろうが、原作のファンには納得できる仕上がりだと思う。教室内のハンディカメラの多用の演出意図がよく分からなかったが、そもそも美人しか出演していないのであるから、失敗作になるはずはない。
 ところで『マリア様がみてる』を語る上で‘サファイア問題’は避けられないであろう。典礼聖歌の407番の「マリア様のこころ」の歌詞の中の「マリア様の心/それはサファイア/私達を飾る/光るサファイア」という部分に対して「マリア様のこころがサファイアっておかしくない?」と主人公の福沢祐巳が島津由乃と藤堂志摩子に訊ねることが問題の発端になる。もちろん私立リリアン女学園の幼稚舎から通っている福沢祐巳はサファイアの青が何を象徴しているのかぐらいは習っているはずなのだから、問題はサファイアの意味ではなくて、宝石にたとえるならばマリア像が首にかけている比較的安価で身近なパールでもいいのではないかということであろう。
 そしてこのような福沢祐巳と同じ疑問を抱いていた相手が意外なことに、家の跡継ぎとして柏木優を婿養子として貰うことに決めていたほど裕福な家庭で育っていた小笠原祥子であった。小笠原祥子と福沢祐巳が‘姉妹(スール)’となるきっかけが、このサファイアを否定する‘背信’の共有によるものであるということが、この作品の‘淫靡さ’を増幅させるのである。


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センスの悪いギャグについて

2011-01-26 00:29:10 | Weblog

BBC番組がいかに二重被爆者を取り上げたか 彼らは何と言っていたのか(gooニュース・JAPANなニュース) - goo ニュース
BBC番組「怒り心頭」=前原外相(時事通信) - goo ニュース

 私も「モンティ・パイソン」の洗礼を受けた一人として加藤祐子の気持ちは分かる。何故

日本の国営放送局では受信料を徴収しておきながら「モンティ・パイソン」のような番組を

制作しないのか不満を抱えたままだし、SEX PISTOLS の「God Save the Queen」

の日本版のような曲をヒットさせることはとても無理だろうから、イギリスの表現の自由度

はとても羨ましい限りである。しかし今回のBBCのコメディクイズ番組「QI」は日本の

二重被爆者に関して設問自体が間違っていると思う。彼は“世界で一番不幸な男”として

取り上げられたようだが、2回も被爆しながら93歳まで生きたのであるから、彼は”世界

で一番健康な男”として取り上げるべきだったのである。世界で一番“健康”であるにも

関わらず日本が二重被爆者としてでもようやく正式に認定したのは彼が90代になってから

だったと皮肉交じりに紹介すれば良かったのである。要するにギャグのセンスが悪かった

のだと思う。それはたまたまであって決してスティーヴン・フライの衰えとは思いたくないが。

ところで風説を無闇と信用してしまう癖のある前原誠司という人は番組を見た上で発言して

いるのだろうか? コメディ番組に対して「怒り心頭というか、強い怒りと不快感を持った」と

非難したらしい。勿論前原が怒ったところで核爆弾が無くなることはない。“正鵠を得た”

前原誠司のメッセージは「日本の外務大臣は冗談が解らないつまらない男」という意味で

イギリスの政治家たちに理解されることになるだろう。


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