僕が結婚を決めたワケ
2010年/アメリカ
ギャンブルとジレンマ
総合 80点
ストーリー 0点
キャスト 0点
演出 0点
ビジュアル 0点
音楽 0点
『僕が結婚を決めたワケ』という邦題は2つの誤ちを犯してしまっている。1つ目はこの作品は主人公であるロニー・ヴァレンタインが恋人のベスと結婚を決めるまでの人生の一大イベントをテーマに描かれたものではなく、寧ろ親友のニック・バックマンとタッグを組んだビジネスが成功するまでの物語が描かれているということである。2つ目は『僕が結婚を決めたワケ』というタイトルで、実際に参考にしようと映画館まで足を運ぼうとそそられる40歳前後の男はいないだろうから、タイトルが集客力に結びつかないことである。更に残念なことには、この作品は今までのロン・ハワード監督作品の中では珍しくかなり凝った仕上がりになっているのだが、上記の不幸が重なって誰にもそのことに気がついてもらえていないことである。
原題が『ジレンマ』である通りに、この作品ではあらゆるジレンマが描かれる。ロニーとニックが作り出そうとする‘電気エンジンを備えたクラシックカー’というもの自体がジレンマの象徴として作品冒頭で提示される。ロニーは既婚者のニックにゲイの振りをさせ(しかしニックは既に妻とは性交渉を喪失していることが後に分かるのだが、性的不能者ではなく、‘不倫’はしていないというややこしさ!)、更に「電気自動車はゲイである」という刺激的な言葉を用いて自動車会社の、実はゲイであることを隠している社長の関心を引こうと試みることもジレンマであるし、ニックが結婚する以前に、ロニーがニックの妻であるジェニーヴァと性的関係を持ってしまったことをニックに言えなかったこともジレンマである。
しかしこのようにただジレンマを並べて描くだけであるならば、ありふれた作品でしかない。重要な点はロニーのニックに対するエキセントリックな態度である。自分の結婚のことよりもニックの夫婦関係を異常に気にするロニーの不自然さは、以前ロニーがギャンブル依存症であることが大いに関わっている。ロニーはブレインであるニックのエンジンの開発の成功を願っているし、ニックが成功しなければ全てが水の泡となってしまう。つまりロニーのニックに関する異常な執着心は彼のギャンブル依存症から来ているのであり、本人は気がついていないようだが、ロニーにとってはもはや人生そのものがギャンブルになっているのである。自分を殴りつけても愛するビジネスパートナーであるニックはロニーにとってジレンマであるが、賭けなければ‘ギャンブル=人生’というジレンマが生じることはなく、ジレンマの集大成がラストで‘電気エンジンを備えたクラシックカー’という奇抜で斬新な形として実を結ぶ。それはゲイであることを隠している社長自身のイメージと重なり、社長に気に入られて商談がまとまることになるのである。
この作品の脚本家であるアラン・ローブの脚本によるオリバー・ストーン監督の『ウォール・ストリート(Wall Street: Money Never Sleeps)』が楽しみになってきた。
竹原氏「市職員たちが勝った」 阿久根市長選落選(朝日新聞) - goo ニュース
阿久根、新市長が副市長を解任 日当制の議員報酬は維持(共同通信) - goo ニュース
竹原信一は「職員たちが勝ったということ。今回の選挙は竹原対職員組合だった。彼らの
力が大きかった。職員組合と報道に負けた」と時折笑みを浮かべながら語ったらしい。
私の誤解でなければ確か前2回行われた鹿児島県阿久根市の市長選挙も今回と同様に
“竹原対職員組合”だったはずであり、当時から彼らの力は大きかったはずなのに、何故
今回は落選したのかいうことが報道陣が訊きたかったことだと思うが、さすがに落選が
確定した直後ということでショックが大きく、冷静に受け答え出来なかったと見える。
しかし2月20日に行われる住民投票で市議会解散が決まれば、市長選に負けたとはいえ
それなりに票は集めているのだから今度は副市長を解任になった仙波敏郎などと一緒に
立候補して議会で多数を占めれば、“竹原劇場エピソード2”を始めることは十分に
可能だと思う。その時は報道を味方につければ間違いなく勝てると思うよ。