MASQUERADE(マスカレード)

 こんな孤独なゲームをしている私たちは本当に幸せなの?

『法廷遊戯』

2023-11-19 00:58:27 | goo映画レビュー

原題:『法廷遊戯』
監督:深川栄洋
脚本:松田沙也
撮影:石井浩一
出演:永瀬廉/杉咲花/北村匠海/戸塚純貴/黒沢あすか/生瀬勝久/筒井道隆/大森南朋/柄本明
2023年/日本

現代の「大映映画」について

 そもそも結城馨が被告と被害者と弁護士による模擬裁判である「無辜(むこ)ゲーム」なるものを始めたのは何故なのか? それは全て同級生の久我清義と織本美鈴によって無実の罪で自殺に追いやられた自分の父親の冤罪を晴らす目的があったからである。
 清義には16歳の時に入所していた児童養護施設の施設長をナイフで刺した過去があるのだが、それは施設長に性的虐待を受けていた美鈴を助けるためだった。法科大学院を卒業して2年後に開かれた「無辜ゲーム」は美鈴が被告で、馨が美鈴に殺され、清義が美鈴の弁護をすることになる。実はこの「無辜ゲーム」には秘密があって、本当は馨は怪我をするだけで良かった。要は事件を起こして過去の父親の事件を洗い直させることで父親の無実を証明したかったのであるが、馨が予想できなかったのは(それとも予想込みの覚悟で?)、清義は美鈴のために施設長をナイフで刺殺したのだから、美鈴には清義に対して義理もあるのだから清義の経歴に傷をつけないためには美鈴は馨をナイフで刺殺せざるを得なかったということである。
 あまり理解されないと思うが、冒頭のタイトルバックからして昔の大映映画(あるいは大映テレビと言った方が分かりやすいか?)を想起させる演出が渋い。だから杉咲花の演技がオーバーだという指摘があるが、あれが正解なのである。
gooニュース
https://news.goo.ne.jp/article/bikenews/entertainment/bikenews-337275


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