原題:『Green Knight』
監督:デヴィッド・ロウリー
脚本:デヴィッド・ロウリー
撮影:アンドリュー・ドロス・パレルモ
出演:デブ・パテル/アリシア・ビガンダー/ジョエル・エルガートン/サリタ・チョウドリー/ケイト・ディッキー/ショーン・ハリス
2021年/アメリカ・カナダ・アイルランド
王家の息子の親離れの難しさについて
主人公のガウェインはアーサー王の甥で、それ故にプレッシャーもあると思うのだが、若さと怠惰な生活故にガウェインには宴などにおいて語るべき武勇伝がない。だから緑の騎士とは母親が密かに手配したトリックスターとも考えられる。
公衆の面前で緑の騎士の首を切り落としたことで即席の逸話を作り上げたガウェインではあるが、その代償は緑の騎士に自分の首を差し出すことだった。一年後に緑の騎士がいる緑の礼拝堂へガウェインは向かうことになるのだが、その道程は悲惨なもので、ガウェインの愚かさだけが目立つだけである。頼りになるのは母親がくれたお守りとしての緑の紐だけだった。
緑の騎士がガウェインの首に斧を振り下ろそうとする時、ガウェインはその後の自分の人生を走馬灯のように見ることになる。自分の子供を産んだエセルを捨てて貴族の娘と結婚し王位を継ぐものの、成長した息子は戦死してしまい自身の悪名だけが轟き、王家は没落し、自分の首が落とされる光景を目撃することになるのである。
その時、緑の紐を外したガウェインを見た緑の騎士はガウェインを許すことにするのだが、つまりこれはガウェインの「親離れ」までの物語なのだと思った。
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