MASQUERADE(マスカレード)

 こんな孤独なゲームをしている私たちは本当に幸せなの?

『アフター・アース』

2013-06-23 22:59:51 | goo映画レビュー

原題:『After Earth』
監督:M・ナイト・シャマラン
脚本:M・ナイト・シャマラン/ゲイリー・ウィッタ
撮影:ピーター・サシツキー
出演:ジェイデン・スミス/ウィル・スミス
2013年/アメリカ

SF映画にする意味について

 これほど盛り上がりに欠けるSF映画も珍しいと思う。主人公の13歳のキタイ・レイジの父親は伝説のレンジャーであり最高司令官のサイファ・レイジである。メインストーリーはキタイがサイファのように恐怖を克服して立派なレンジャーになる過程が描かれることになる。彼らを襲う巨大生物「アーサ」は彼らの恐怖を嗅ぎつけて襲ってくるために、未来を想像することにより恐怖が生じてしまうというサイファの言葉を思い出しながら、結果よりも「今」に集中することでキタイも恐怖を克服することが出来るのであるが、真っ二つに折れて「地球」に墜落した宇宙船の先頭から、船尾まで「トーチ」という救難信号の発信機を取りに行くジェイデン・スミスの「一人芝居」が何とも退屈で、「地球後」という大げさなタイトルを付した割には、父親の言葉の正しさを確認するだけというドラマの王道ならではの恐怖の克服方法にも驚きはなく、SFというジャンルが全く活かされていない。


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世界文化遺産の「重圧」

2013-06-23 19:42:41 | Weblog

増える富士山登山者、どう守る 噴火対策も…抵抗強い「入山料徴収」(産経新聞) - goo ニュース
世界の「入山料」相場は?(R25) - goo ニュース
【ロッテ】登山家・野口健氏が始球式断念(日刊スポーツ) - goo ニュース

 世界文化遺産に登録が決定された直後の今日の日曜日には、富士山の登山者は

ゴールデンウィーク並の人数が訪れているらしく、市の職員が急遽、クルマの交通整理を

担っている状態がテレビに映し出されていた。どうやら世界文化遺産の登録を目指した

ロビー活動は外交下手の日本としては珍しく功を奏したものの、登録決定後に見込まれる

であろう増加する観光客に対するインフラの整備は全く手付かずというところが理解に

苦しむ。過去に入山料導入を検討したものの、地元の反対で頓挫したということも不思議で

活火山である富士山の噴火対策も不十分で、国連教育科学文化機関(ユネスコ)に提出

する富士山の保存管理計画の期限が2016年に迫っていることもあり、問題だけが増えて

しまったような世界文化遺産登録が本当に良かったのかどうか分からなくなってくる。


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『100回泣くこと』

2013-06-22 23:26:55 | goo映画レビュー

原題:『100回泣くこと』
監督:廣木隆一
脚本:高橋泉
撮影:鍋島淳裕
出演:大倉忠義/桐谷美玲/ともさかりえ/忍成修吾/波瑠/宮崎美子/大杉漣
2013年/日本

なかなか煮詰まらない脚本について

 藤井秀一に誘われて沢村佳美は藤井の趣味であるバイクの修理に付き合う。佳美は迷うことなくプラグを藤井に手渡したり、「キャブレター」という言葉を知っていたりするのであるから、何故佳美がこんなにバイクに詳しいのか藤井が疑問に持ってもいいと思う。その謎が伏線となるはずなのであるが、藤井が佳美に訊ねることはない。
 事故に遭遇する前に、藤井が佳美から卵巣がんであることを告白された際に、藤井は佳美から逃げたと友人たちに噂されている。しかし藤井は決して逃げたわけではなく、佳美の入院に付き添うつもりでいたのであるが、その直前に藤井は交通事故に遭ってしまうのである。では何故藤井は逃げたことになってしまっているのか考えてみるならば、藤井の決意を知っていたのは佳美だけなのだから、藤井が逃げたとするならば、それは佳美がそのように友人たちに伝えたことになるのであるが、いくらなんでも愛している男性に汚名をそそぐわけはなく、ここは脚本が間違っていると感じてしまい、結局、100回どころか一度たりとも泣けなかった。


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成功する前提は存在しない

2013-06-22 20:10:39 | Weblog

声を詰まらせ辛坊さん「計画が無謀だったとしか言えない」 遭難会見詳報(産経新聞) - goo ニュース

 このニュースには正直驚いた。このように派手に見送られる場合にはたいてい成功する

ことが前提だと思い込んでいたから、まさか失敗して命からがら救助されて戻ってくるとは

想像もしていなかったからである。ちなみに堀江謙一が小型ヨット「マーメイド号」で兵庫県

西宮のヨットハーバーから出発したのは1962年5月12日、「アースマラソン」で間寛平が

千葉県鴨川市からヨットで出発したのは2009年1月1日だったが、海が荒れており改めて

3日になって千葉県南房総市から出発している。だから福島県いわき市の小名浜港から

6月16日に出発することに特別な問題があるようには思えず、8日の大阪出発から13日

の小名浜到着までの6日間の航海で大荒れの海も経験していたのだから、万全の対策は

とっていた様に見える。「3回、下から突き上げるような音がした」という証言から鮫のような

大きな生き物に体をぶつけられたのかもしれないが、今回は不運としか言いようがない。


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『華麗なるギャツビー』

2013-06-21 22:56:06 | goo映画レビュー

原題:『The Great Gatsby』
監督:バズ・ラーマン
脚本:バズ・ラーマン/クレイグ・ピアース
撮影:サイモン・ダガン
出演:レオナルド・ディカプリオ/トビー・マグワイア/キャリー・マリガン/ジョエル・エドガートン
2013年/アメリカ・オーストラリア

全てが虚飾と化す瞬間

 1924年、主人公のジェイ・ギャツビーについて語るもうひとりの主人公であるニック・キャラウェイが何故アルコール中毒患者の療養所に滞在しているのか推測するならば、結局のところ二年前のあの日、ニックがギャツビーに電話をした際に、ギャツビーがジョージ・ウィルソンに射殺されてしまい、自分がギャツビーの死のお膳立てをしてしまったという悔恨の念に囚われてしまったからだと思われるが、言うまでもなくギャツビーはデイジー・ブキャナンからの電話だという幸福な思い込みを抱いたまま亡くなったことを私たちは既に知っており、このような皮肉が本作全体を覆っている。
 大富豪であるギャツビーがニューヨークに建てた宮殿のような豪邸内で、毎夜のように開かれる豪華絢爛なパーティーにおいて、トム・ブキャナンとギャツビーの上流社会における‘仮面のかぶり合い’のゲームは、やがて「シャラップ!」という一言でギャツビーの素性がバレてしまい、全ては虚飾にしかならないものだったという皮肉が、映像そのものがゴージャスであるがために有効に機能する。それにしてもギャツビーが一途に想い続けていたデイジーの自動車事故後の、ギャツビーに対する態度が余りにも素っ気なくて冷酷すぎると思われるのであるが、所詮その程度の、虚飾で身を包んでいた女にうつつを抜かしていたギャツビーに非があるのだとするならば、全く救いの無い話で気の毒としか言いようがない。


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初めての病院?

2013-06-21 17:39:12 | Weblog

岩手県議、県立病院に立腹「会計せず帰った」ブログ炎上(河北新報) - goo ニュース

盛岡市の県立中央病院で検査料を支払う際、職員に「241番の方」と呼ばれたことに腹を

立て「ここは刑務所か 名前で呼べよ」と思い、「会計ができましたので、窓口にお越し

ください」と言われて、「俺は15000円も払うんだ。お前が取りに来い」と考え、「会計を

すっぽかして帰った」などどブログに書き込んだ岩手県議の小泉光男の関して、誰もが

思うであろうごく基本的な疑問は、この56歳にもなろうとする男は、今まで病院に行った際

にはどのように対処していたのかということである。まさか56歳にして病院初体験なわけ

でもないだろうし、本人が至って健康だったとしても奥さんや子供たちに付き添いで行くこと

はあっただろうし、大体最近はどこの大病院でもプライバシー保護のために番号で呼んで

いるはずだし、病院でなくても銀行などでも番号で呼んでいるだろうし、今まで全ての会計

をすっぽかして帰っていたならばなかなかイタい男である。


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『絶叫学級』

2013-06-20 22:52:09 | goo映画レビュー

原題:『絶叫学級』
監督:佐藤徹也
脚本:三浦有為子
撮影:芦澤明子
出演:川口春奈/松岡茉優/広瀬アリス/波瑠/山本美月/栗原類
2013年/日本

脚本が良すぎるホラー映画について

 中高一貫の私立女子校の美術部の顧問を務めている保坂まことはかつて同じ学校の生徒として通っていたのであるが、忘れられない思い出がある。学校でいじめにあっていたまことは同級生の秋元優美に助けてもらったのであるが、秋元は事前に家庭科室のガス栓をひねって室内に充満していたガスにライターで火をつけていじめの加害者たちと共に爆死してしまっており、その旧校舎は現在は立ち入り禁止になっている。
 12年前のその事件は風化してしまっているのだが、秋元の霊は黄泉と呼ばれるようになって、彼女に願いをかけると叶うがその代わりに大切なものを失うという都市伝説は噂になっている。当初は、荒樹加奈と香取絵莉花は親友のように見えるのだが、加奈がパンダの顔に「心」という文字が書かれている携帯ストラップの人形に無頓着で、顔に「友」と書かれている同じ携帯ストラップの人形を絵莉花が大切にしているところを見ると、どうやら2人の友情は絵莉花の‘片思い’のようである。
 読者モデルを扱う雑誌に加奈の写真が掲載されたことに嫉妬を覚えた高見沢リオのグループは加奈をイジメの対象に選ぶ。カラオケボックスでリオが仕込んだ男たちによって加奈は強姦され、翌日にはその写真が出回ってしまい、加奈は孤立してしまうのであるが、強姦された次の日に普通に登校してくる加奈もなかなかの根性の持ち主ではある。
 加奈は黄泉に、イジメを無くして欲しいという願いの代わりに、願いが叶うならば死んでもいいから誰よりもかわいくなりたいと願ったおかげなのか、加奈に対するイジメはすぐに無くなり、代わりに絵莉花がイジメの対象にされてしまう。
 結果的に、リオは硫酸で顔に火傷を負い学校に来られなくなり、加奈がリオの代わりに学園のアイドルに君臨することになるのであるが、何故か願いが叶った加奈が死ぬことはない。実はリオの火傷は絵莉花の願ったことであり、絵莉花は一番大切にしていた加奈との友情を失うのであるが、その加奈がターゲットにされていることをまことは絵莉花が残していったスケッチブックで知ることになるのである。
 同じホラー映画としてストーリーは『クロユリ団地』(中田秀夫監督 2013年)よりも断然優れていると思うが、凝りすぎていて却って当の女子学生たちには分かり難いかもしれない。


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川越達也の経営方針

2013-06-20 00:02:30 | Weblog

ブログ炎上の川越シェフ謝罪「生意気でした」(サンケイスポーツ) - goo ニュース

 「くだらない。人を年収で判断してはいけませんが、年収300万-400万円の人が高級店

の批判を書き込むこともある」と持論を展開し、さらに、飲食店評価サイトで「注文していない

のに水代として800円取られた」などと批判されたことに対して、「そういうお店に行ったこと

がないから『800円取られた』という感覚になる」と反論していた川越達也が「ボクが生意気

でした。誤解をまねいてしまったようで本当に申し訳なく思っています」と謝罪してしまって

いるのだが、何故謝っているのか理解に苦しむ。昔から「一見さんお断り」という文化が

日本には存在するのだから、「タツヤ・カワゴエ」も、「本当は1500円取っても問題は無い

のであるが、サービスで800円に抑えている水代を取られたことにいちいち文句を言う

ような低所得者は店に来るな」とはっきり言えばいいのである。誰にでも好い顔をしようと

するから経営方針にブレが生じるのである。


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『二流小説家 シリアリスト』

2013-06-19 23:12:07 | goo映画レビュー

原題:『二流小説家 シリアリスト』
監督:猪崎宣昭
脚本:猪崎宣昭/尾西兼一/伊藤洋子/三島有紀子
撮影:高田陽幸
出演:上川隆也/武田真治/片瀬那奈/平山あや/伊武雅刀/高橋惠子
2013年/日本

「二流」という言い訳

 死刑囚の呉井大悟に「告白本」の執筆依頼を受けた小説家の赤羽一兵が殺人事件に巻き込まれる最中に、2度、銃撃されるのであるが、1度目は陸揚げされているボートの下に隠れた赤羽の前にサッカーボールが転がってきて、まるで銃声が聞こえなかったかのように少年たちがランニングに勤しんでいるし、2度目の時には赤羽は底なしの泥沼にはまり込んだはずなのだが、何故か自力で脱出出来てしまう。『脳男』(瀧本智行監督 2013年)や『プラチナデータ』(大友啓史監督 2013年)などと同様の真犯人の‘超能力振り’は相変わらずで、再審が決まっていたにも関わらず、あっという間に死刑が執行されてしまう展開も雑で、結局、美的価値観の違う赤羽に「告白本」の執筆依頼をした呉井の、母親に対する屈折した愛憎の説明にも説得力がなく、4人も脚本に関わっていながら、テレビの2時間ドラマでももう少し丁寧に製作されていると思う次第である。


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思いやりの無い政調会長

2013-06-19 19:40:49 | Weblog

高市政調会長、原発死者なし発言を撤回・謝罪(読売新聞) - goo ニュース

17日の神戸市で講演で、原発の再稼働に絡み「福島第1原発で事故が起きたが、死亡者

が出ている状況ではない。安全性を確保しながら活用するしかない」と発言した事で批判を

あびた自民党の高市早苗政調会長は、18日に、「被ばくで亡くなった方はいないが、安全を

確保しなければならないと伝えたかった」「まったく趣旨が取り違えられて報道された」

「もし誤解されたとしたら、しゃべり方が下手だった」と釈明したが、19日になって「私の発言

の一部が報道されたことで大変悔しい思いをされた方や悲しい思いをされた方に、心から

おわびを申し上げる」とし、「私が申し上げた、エネルギーに関する全ての発言を撤回する」

と述べるに至った。撤回する以上は“安全性を確保しながら活用するしかない”ということを

しない、になると思うが、また「しゃべり方が下手だった」とか「まったく趣旨が取り違えられて

報道された」などど釈明するつもりなのか 「私の発言の“一部”が」などどいまだに責任を

マスコミに擦り付けようとする不誠実さなど、基本的に高市早苗の言葉には他人に対する

思いやりが全く感じられない。


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