「並木薮蕎麦」に駆け込むと座敷の方が空いており助かった。客のほとんどが酒を飲んでいる。こういう雰囲気が私は好きだ。

「冷や酒」と「もりそば」を注文した。そば味噌をアテに酒をかーっと胃袋に流し込んだ。それを後ろで見ていた店員が直様そばを持ってくる。実にいいタイミングである。

つゆは辛口なのでそばの先を少し浸けるだけで十分である。旨みも濃厚だ。「東京人no.260」で神田まつやのご主人が汁の作り方についてこう述べている。
「薮」さんは神田も並木も池之端も、甘汁は鯖だけです
私はそばを食べる時にほとんど薬味は使わない。残ったそばつゆに薬味とそば湯を入れて綺麗に片付けるのだ。約10分で店を出た。他の客が「もう帰るのか」というような顔をしていたが、これが私の流儀なのである(笑)
