黄金町(こがねちょう)は昭和38(1963)年に公開された黒澤明監督の映画『天国と地獄』の舞台になった。地元の人間が「以前は普通の人が歩くような場所ではなかった」と語るようにヤクの密売人や娼婦などが集まる危険な町だった。
昭和30年頃に開店した大衆食堂「権兵衛」。女主人・富永さんはあるテレビ局の取材を受けて当時の治安の悪さについて「・・・いろんなことがあり、いろんな人がいた・・・」と言葉を選んで回想していたのが印象的である。
「小料理屋」の古ぼけた掲示板が、かつてここでは非合法の商売が公然と行われていたことを静かに物語っていた。
京急による耐震補強工事終了後に、横浜市が高架下を借り上げて地域住民が利用できる「スタジオ」を作った。「ちょんの間」跡にも変化が見られる。「ライヴバー」や「たこ焼きバー」などができて、クリーンな町作りが着実に進んでいる。