汗びっしょりになって集合場所に到着した。鉄オタの柳川名人とはほぼ1年振りの再会である。
「ご免。5分の遅刻だ。早く着いたんで港の方を観光してたんだよ」
「何だ、もう見てきたの。そっちに行こうかと考えていたんだけど」
「すまんね。今日は横浜裏観光にしよう。普段行かないような所を歩いてみるかな」
「ほう。怖いような面白いような。取りあえず行ってみようか」
野毛町の「場外馬券売場」から冴えない顔をして出てくるおっさん達とすれ違い「お茶屋」の脇道を進む。「馬券売場」の裏手に「牛すじ煮込み」の看板を出した立ち飲み所がある。
買っても負けてもおっさんはここで酒をあおりストレスを発散するのであろう。ちょっと入ってみたかったが、準備中のようであった。

