THE FOURTH PARTY

チョイ毒エッセイのようなもの。コメント欄でのやりとりはしません。用事がある人のみ書き込んでくだされ。

XLR250の整備開始

2007-09-11 20:58:03 | XLR250

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このXLRは多分’92年式で、実はBAJA。 ※XLRとバハでは電装が異なるそうだ
身内を何人か渡り歩いて、2002年にノンオーバーホール3万キロ(5万キロだったっけ?)の時に坂内2DAYSエンデューロに出場するために俺がオーバーホールした物だ。
アンチホンダの俺だが、何故かモンキー好き(今もバラバラのままだが所有している)。この時「XLRのエンジンはモンキーのエンジンに似てるなー」・・・と感じた。メーカー毎に異なる細かい作りの違いや、そのスピリットの違いは何となく感じ取れる。この時は時間的あるいは予算的制限が大きくて全てを出し切る事はできなかったが、コレを皮切りにアンチホンダの俺がMD17Eエンジンを積んだバイクを手に入れたくなってしまった。
既にこのXLRは3度の坂内2DAYSエンデューロを経験している。去年は色々あって俺のXRを使用したが、今回再び舞台に上がる事となった。
どうしようかと悩んだが、敢えて「XLR250」のカテゴリーを追加。ここに来て下さる方の多くはXRやXLRファンであろうかと思うし、俺自身この個体にはそれなりに思い入れもあるので。この記事TOPの写真は2002年の坂内2DAYSエンデューロの物。ライダーは俺。一応レース中なのにこの余裕。この時点で確か現役引退済みだが、まだバイクに跨れば普通に走れた記憶がある。撮影はプロに成りかけの頃の(?)N目K司氏。

いきなりエンジン下りてますが・・・。

Epsn3960

ハケ塗りフレーム。’02に俺が二液ウレタンで黄色に塗ったのを、オーナーが白にハケ塗り。
まずリヤサスのオーバーホールから着手。

Epsn3961_1

ピギーバックタイプのMD30と異なり、XLR(コレはMD22)のリヤサスはリザーバータンクがホースを介して別体となっている。バラし方は過去のと全く同じ。気を付ける事としてはスプリングアジャスターは上部からしか入らないので、一度外したら、リザーバータンクへ繋がるホースを取り付ける前にアジャスターをセットする事。

Epsn3964

写真ではスプリングアジャスターが取り付けられてない。この後、先にアジャスターを取り付けなければならない事に気付いて、エア抜き完了後にもう一度バラしたことは言うまでも無い。
もう一つは下部にある伸び側の調整ダイヤルの下に小さなスプリングが入っているという事である。俺は知らずにバラして紛失してしまったよ。MD30の場合はここの調整がロッド内部に仕込まれたニードルによって行われているが、XLRの場合はオリフィスで行われている。ダイヤルには1~4までの数字が刻まれており、オリフィスは元々設定が4段階しかない。1,2,3、4と回すと、4の次は1に戻る仕掛けとなっているようだ。

Epsn3963

砕け散ったバンプラバーは新品に入れ替え。オイルはMD30よりも多く入るようであった。

次はエンジン。俺がオーバーホールした数年後、シフトスピンドル入れ替えの為にオーナーの手によってクランクケースが割られている。この時に燃焼室がカーボンだらけだったのだそうだ。バルブステムシールが傷んでオイル下がりを起こしているのではという事で、今回はヘッドのオーバーホールが第一の目的であった。
エンジンを車体から降ろして、まず問題発生。MD30用に製作したエンジンスタンドに載らない。両車のエンジンマウントが異なる事は知っていたが、同系エンジンだから載るだろうと漠然と考えていた。スタンドが使えないのはスイングアームピボットと同軸のマウントがXLRには無いからだ。そんな訳でエンジンを降ろす時にスイングアームを外さなければならないXRに対し、XLRはスイングアームを付けたまま自立した状態でエンジンを降ろすことができる。
仕方ないのでタルキ(角材)で簡単な台を一瞬で製作。圧縮上死点を出してからバラしていく。
パカ・・・。ヘッドカバーを開けると・・・。

Epsn3972

き、きたねえ!!! オイルが真っ黒。オーナーの某氏は先月オイル交換したと言っている。そしてその後2~3回しか走ってない。どうなってんの? ついでに組み間違いを発見。サブロッカーアームが一個裏返しに組まれている。コレは犯人は俺か?
こうやって見てみると、MD30と非常に良く似てるが、実はかなり違う。互換性があるかどうかは別とすれば、細かい部品の一部を除けば殆どが異なると言っていい位。

カムチェーンテンショナーの張りを緩めようと思ったら、完全に押し切っていてバイスクリップで掴めない。仕方ないので右クランクケースカバーを開ける。(本当にヘッドのみのメンテナンスであれば必ずしも開ける必要は無い)やはりかなり汚れている。
テンショナーの弓状の部分を押してやればバイスクリップで掴めるので、クラッチもハウジングごと外す。ちなみにクラッチセンターナットはXLRでは爪で引っ掛けるタイプのスペシャルが使用されているのでSSTが必要。

Epsn3973

俺は元々モンキー用に所有していた。このナットはMD30では六角に変更されている。
クラッチを外してチラッとプレートをズラしてみたら、なんとそこは地獄絵巻

Epsn3980

クラッチプレート(金属板)は完全に焼きが入った色をしており、フリクションプレートは粘土質のカスで覆われている。え~~~~~???なんでなんで?
シリンダーヘッドも外してみる。確かにカーボンは多めだが、それほどでも・・・? ついでにピストンを下げてシリンダー内壁をチェック。
こ、これは一体・・・? シリンダー内壁の円周方向に無数の傷。完全に暗雲が垂れこめる。

この時オーナーのN目君と作業しており、俺が手を下したのはリヤサスのOHとエンジン降ろし、そしてエンジンの分解。N目君は俺がリヤサスをOHしている間にエンジンを降ろす段取りをしたり、他の部分をチェックしたり。(スイングアームのピボット部分が壊れており、中古のスイングアームを探して交換するのが良かろうかという判断となった)
作業の真っ最中は気が付かなかったのだが、この後帰宅してビール片手に考え事をしていた時にふと思った。
「そういえば抜いたオイルを見てないぞ。もしや・・・」
N目君にメールで確認すると、やはりエンジンオイルは抜いてないという。

エンジンオイルが入ってなかった!!!!

Epsn3981

さてどーする?

コメント (6)
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