トロルお爺の”Satoyaman”林住記

生物生産緑地にて里山栗栄太が記す尻まくりワールド戯作帳

故郷の秋便り

2012-10-19 | 何よりの楽しみ

Photo  郷里の次兄からアケビが送られてきた。春にはアケビの新芽、コゴミやフキノトウなどの山菜が届く。郷里を離れて半世紀になる小生でも、これらは郷里での少年期に時空を引き戻す季節の便りになっている。

 単に「懐かしい」という郷愁の感覚だけでなく、幼い頃から食べなれた旬そのものの食材である。当地は降雪などないし、周囲は常緑樹か針葉樹の森が多いので、里山里地からの恵みは限定的だ。降雪地帯でない事は雪の苦労が無い事だけれど、また「春の喜び」も無いのである。雪の無い地域に住んで「雪の恵み」の大きさを実感している。

 小生、ある時期は山に分け入って、キノコや山葡萄、サルナシなど秋の恵みを堪能したのだけれど、不意の呼び出しに備えなければならなくなってからは出かける事もなくなった。現在は里山の手入れで手一杯で、山の恵みを求めてでかける事も無い。だから、いっそう心ときめく季節の便りなのだ。

 


信義則と誠実性

2012-10-19 | 小人閑居して憮然

Photo  終日、小雨模様の予報でフイールドはお休みとしたが、一日中、家の中で過ごすのも気が滅入るから、園芸店に出かけた。何が欲しかったかと言うと「フジバカマ」なのである。庭の株は花期を前に腐って消失した。

 見当をつけて向った隣市の有名店で見つけたポット苗が左側の緑のポット苗、400円だったが期待した品種と微妙に異なる。断言すれば「野草のヒヨドリバナの挿し穂養成苗」だった。確かに葉の形状に変異はあるし、赤花とラベルのある個体の蕾は紅を点していたが、開花すれば白色そのものの「ヒヨドリバナ」だった。ヒヨドリバナならフイールドに山ほどある。刈り払いのたびに「刈り残し」てきたから。

 帰路、いつも立ち寄る「ついでの店」も寄ってみた。陳列台を丹念に回り、帰ろうと入り口に目を落としたら4ポットあるではないか。最初の苗より格段に上物で525円だった。この店で以前に訊ねた時、「売れない物なので置いてありません。商売にならない」と言われ、「そりゃー、そうだ!」と変に納得していたのを思い出す。

 期せずして残りを買い占めた格好になったけれど、生産者・販売者が違うとは言え、ここまで品質の差があるのにはビックリした。125円の差なら、誰でも右側を選ぶだろうが、生産者の利益を考えると400円の商品の方が有りそうだ。右側の商品は生産者としての良心やプライドを感じる。

 結果的に欲しい物は入手できたが、生産者・販売者の人間性を垣間見た思いの雨の日であった。