澎湖島のニガウリ日誌

Nigauri Diary in Penghoo Islands 澎湖島のニガウリを育て、その成長過程を記録します。

「世界から見たニッポン~幻に終わったアジア連帯の夢」

2007年08月16日 12時29分41秒 | 歴史
終戦記念日のNHK・BSでは、「幻に終わったアジア連帯の夢」が放送された。前半は「孫文」、後半を「チャンドラ・ボース」を採り上げられた。

2006年11月、北京の人民大会堂では、「孫中山先生生誕140周年記念式典」が開かれ、愛国者・孫文の功績が称えられた。その際、二人の日本人が国賓として招かれていたという。ひとりは、梅屋庄吉の孫、もうひとりは宮崎滔天の孫であった。日本では、もう顧みられることもなくなった「アジア主義者」の末裔を中国では決して忘れず、胡錦濤首席自らが接見をしていた。「井戸の水を掘った人は忘れない」という中国人の美点が感じられて、久しぶりに好感を覚えた。

欧米による過酷な植民地支配を目の前にして、アジア人同士が連帯して白人の支配をうち破ろうとする思想が芽生えた。これが「アジア主義」である。数々の民間人が大陸に渡り、この夢を実現しようとしたが、結局、それは失敗に終わった。
その理由は、日本政府が欧米列強と同一の国家利害を追求したからである。民間人による「アジア主義」実現の夢は、現実政治の前で裏切られたのだ。

東京の「白山神社」(文京区)には、孫文と宮崎滔天が座ったという記念碑がのこされている。縁日には夜店が立ちならぶこの神社に、どれだけの人が記念碑の前で足を止めるのだろうか。

最近、中国・中国人については、良い印象を受けないという人が増えているという。
だが、この番組の映像を通して「アジア主義」を振り返ると、中国人の複雑な心境も十分理解できる。

タブーに触れることになるが、「アジア主義」は人種差別の問題とも関連する。何故、米国は日本に原爆を投下したのか、無防備な都市に対して大空襲を行ったのかという問題(東京大空襲)を考えざるをえないのだ。米国がドイツに対して原爆を落とせるはずはない…というのが私の実感である。
米国の人種差別的な暴虐行為は、ベトナム戦争でも遺憾なく発揮された。

日中が連携して、欧米の人種主義に対抗すべきだと考える人がいても不思議ではないと思うのだが、いかがだろうか。
                         (写真は、宮崎滔天)