坂出市の姉妹・祖母殺人事件の渦中にいる父親である山下清氏が、葬儀の前にマスコミのインタビューを受けた。現在の心境を聞かれて「地獄としか言いようがない」と言葉少なに答えていた。
山下清氏という人は、実に率直で、朴訥な人だと思う。多分、田舎にはこういうタイプの人も多いのではないか。マスコミ関係者にとっては、つけ込みやすいタイプだと思われる。
「週刊新潮」によれば、TVインタビューアーが山下氏にぶしつけな質問を投げかけ、それに彼が応じると、周りのスタッフは笑っていたという。ある女性インタビューアーは、放送にはのらなかったものの、山下氏が坂出警察署に連行されたという誤報を流したこともあったようだ。
相手が「田舎者」で「無教養」だと思えば、組みやすい相手と見て、とことんつけ込む。そういうマスコミのイヤらしさを見せつけられた事件だった。
何度も言うようだが、山下氏は、これまでのマスコミ報道をチェックして、名誉毀損に当たる報道をしたメディアに対しては、損害賠償を請求すべきだ。TBS系列の「朝ズバ」で「みのもんた」が彼を犯人扱いしたそうで、激怒しているという報道もある。あの傍若無人の「みのもんた」ならやりかねないし、今のTBSにはそれを制止するだけの良識はない。
一方、朝青龍の記者会見だが、マスコミ各社からは思ったほどの「突っ込み」は見られなかった。無実の庶民には、あれほど食らいついたのに、ひどいものだなあと思った。
「人権」という言葉は、こういうときにこそ使う言葉ではないのか?