ノーマン・キャンドラー(Norman Candler 1937ー )は、ドイツのバンドリーダー、アレンジャー。1970年代に個性的なストリングス・サウンドで人気を博した。
彼の音楽の特徴は、大編成のストリングス。「ノーマン・キャンドラー楽団」は、ミュンヘン・フィルハーモニー管弦楽団のピックアップ・メンバーを中心に構成されたレコーディング・オーケストラだった。いかにもドイツらしい、というと月並みすぎる表現だが、精密で律儀なアンサンブルには、ぴったりの修飾語だった。
マントヴァーニの楽団テーマ曲である「シャルメーヌ」を彼の演奏で聴くと、オケがより大編成であり、録音が新しいためか、シンフォニックな響きがする。滝が流れ落ちるようなと形容された「カスケーディング・ストリングス」も、マントヴァーニにまさるとも劣らない出来上がりである。
だが、ノーマン・キャンドラーは、日本ではあまり人気を得なかった。その理由は、デビューの時期にある。1968年、フランスのポール・モーリアが「恋は水色」で大ヒットをとばしたが、ちょうどその時期に重なるのだ。ノーマン・キャンドラーの演奏は、それまでの「ムード音楽」の流れをくむ重厚なストリングスを中心とした音楽。一方、新しいポール・モーリア・サウンドは、ロックのリズムを前面に押し出した、当時としては斬新なアイディアに満ちたものだった。その時点で、ノーマン・キャンドラーの音楽は、「古くさく」聞こえてしまったのだ。
現在、アルバム(LP)の多くがCD化されていない、ノーマン・キャンドラー。クラシックを基調とした彼の音楽は、今となっては貴重だ。ぜひ、CD化を進めて欲しいと思う。
《ウィキペディア》より
ノーマン・キャンドラー (Norman Candler, 1937年 - ) は、1970~1980年代に活躍した、ドイツ ミュンヘン出身の作曲家・編曲家・楽団指揮者・ギタリスト。
1971年、ミュンヘン・フィルハーモニー管弦楽団のピック・アップ・メンバーによって、ノーマン・キャンドラー楽団を結成。ただし、海外におけるクレジットは"ザ・マジック・ストリングス"。 その楽団は、ヴァイオリンだけで48名という、総勢80名からなるストリングス中心の大オーケストラである。
なお、スタジオ録音のみの活動であり、日本においても数枚のアルバムを残しているが、大多数は海外版である。