澎湖島のニガウリ日誌

Nigauri Diary in Penghoo Islands 澎湖島のニガウリを育て、その成長過程を記録します。

ビルボード・チャートでみるイージーリスニング音楽

2008年07月20日 14時39分58秒 | 音楽・映画

これまで気ままに「イージーリスニング音楽」「ムード音楽」について、思いついたことを記してきた。

ところが、中には私の事実誤認もあり、「PMイースタン」さんからは、親切なご指摘をいただいた。(フランク・プウルセルは来日公演をしたことがない、と書いたが、それは誤りであることを教えていただいた。)


そこで、きょうは真面目に手許に本を置いている。
「ビルボード・トップ40アルバム 1955-86」(ジョエル・ホイットバーン編 音楽之友社 1989年)という本で、アルバム(=LPレコード)のチャートが記録されているところがミソだ。

ポップス、ヴォーカル、ジャズ、クラシックまでも含んだチャートなので、インストルメンタル系の音楽は、思いのほか“苦戦”していることが分かる。
また、日本では有名な楽団、例えばフランク・プウルセル、レイモン・ルフェーブルといった名前が出てこないのだが、米国ではほとんど人気がなかったことを示すデータに他ならない。


【ヒット・アルバム・チャートのゴールド・ディスク&プラチナ・ディスク】
●→ゴールド・ディスク(50万枚) ★→プラチナ・ディスク(100万枚)
( )内の数値は、チャート・インしたアルバム総数

レイ・コニフ     8●  1★(28)

ビリー・ヴォーン   3●    (18)

ローレンス・ウェルク 2●    (24)

ロジャー・ウィリアムス 4●   (19)

パーシー・フェイス   2●   ( 9)


アンドレ・コステラネッツ 0    (1)
ヘンリー・マンシーニ   4●  (16)
イノック・ライト     1●  (11)
アーサー・フィードラー  0   ( 6)

ベルト・ケンプフェルト  3●   ( 6)  ※ドイツ

マントヴァーニ      6●   (30)  ※英国 

スタンリー・ブラック   0     (2)  ※英国 

フランク・チャックスフィールド 0  (1)  ※英国

ジョージ・メラクリーノ  0     (2)  ※英国 

ポール・モーリア     1●    (1)  ※フランス
101ストリングス    0     (2)

《参考》

ザ・ビートルズ      21● 2★ (27)

エルビス・プレスリー   20● 2★ (49)

 

このように見てくると、アメリカ以外のアーティストで大成功を収めたのは、ベルト・ケンプフェルト(ドイツ)マントヴァーニ(英国)だけだということが分かる。ポール・モーリア(フランス)は、「恋は水色」のシングル盤が大ヒットしたおかげで、アルバム・チャートにも1枚がチャート・インしてゴールド・ディスクを得ているが、米国の音楽市場では単なる「一発屋」で終わってしまった。

「引き潮」「ライムライト」で有名なフランク・チャックスフィールド(英国)もポール・モーリアと同様の有様、「スペイン!」がヒットしたスタンリー・ブラック(英国)も2枚のアルバムがチャート・インしただけである。

 

日本では、人気のある「アルフレッド・ハウゼ」「ウェルナー・ミューラー」(以上ドイツ)「レイモン・ルフェーブル」「フランク・プウルセル」などは、1枚のアルバムもチャート・インしていない。
イージーリスニング音楽に関しては、日米の好みの違いが、はっきりと現れているのが興味深い。