澎湖島のニガウリ日誌

Nigauri Diary in Penghoo Islands 澎湖島のニガウリを育て、その成長過程を記録します。

ビルボード・チャートに見る「イージーリスニング音楽」(2)

2008年07月22日 10時41分48秒 | 音楽・映画
先日も採り上げた「ビルボード・トップ40アルバム 1955-86年」(ジョエル・ホイットバーン編 音楽之友社 1989年)から。


《トップ・アーティスト ベスト30》   (1955-86年)
1 フランク・シナトラ
2 エルビス・プレスリー
3 ローリング・ストーンズ
4 バーブラ・ストレイザンド
5 ビートルズ
6 ジョニー・マチィス
7 ミッチ・ミラー
8 マントヴァーニ
9 キングストン・トリオ
10 レイ・コニフ

11 ボブ・ディラン
12 テンプテーションズ
13 エルトン・ジョン
14 アンディ・ウィリアムス
15 ハーブ・アルパート &テイファナ・ブラス
16 ローレンス・ウェルク
17 ビーチ・ボーイズ
18 ハリー・バラフォンテ
19 ヘンリー・マンシーニ
20 シカゴ

21 ニール・ダイアモンド
22 ポール・マッカートニー
23 ビリー・ヴォーン
24 アレサ・フランクリン
25 ロジャー・ウィリアムス
26 ジャファーソン・エアプレイン
27 シュープリームス
28 レイ・チャールズ
29 スティービー・ワンダー
30 イノック・ライト 


上記のデータは、1955-86年までの間に「ビルボード誌・アルバム・チャート」にチャート・インしたアルバムの記録を点数化して、順位をつけたもの。

ポップス、ヴォーカル、ジャズ、クラシックなどすべてのジャンルを含むランキングである。「ベスト30」の中で「イージーリスニング音楽」と呼べるものは、ミッチ・ミラー(7位)、マントヴァーニ(8位)、レイ・コニフ(10位)、ハーブ・アルパート&ティファナ・ブラス(15位)、ローレンス・ウェルク(16位)、ヘンリー・マンシーニ(19位)、ビリー・ヴォーン(23位)、ロジャー・ウィリアムス(25位)、イノック・ライト(30位)だけである。

なお、このチャートは、100位まで掲載されているが、31位から100位までの中には「イージー・リスニング音楽」を演奏するオーケストラは含まれていない。


特筆すべきことは、マントヴァーニの孤軍奮闘ぶりである。外国人アーティストとして全米を席巻したのは、英国人であるマントヴァーニが最初だった。「ビートルズ」以前の偉業であるが、何故かあまり語られることはない。


アメリカ人好みのサウンド・メーカーとして、レイ・コニフが10位にチャート・インしている。彼の音楽は、スーパー・マーケットの音楽とも呼ばれ、明るく豊かで、何の翳りも感じられない、脳天気なサウンドだった。
ローレンス・ウェルク、ビリー・ヴォーンも基本的には同類で、当時の日本人にはさほどフィットするような音楽ではなかったが、とにかくアメリカ人には受けたということだ。


マントヴァーニに関しては、日本でも絶大な人気があった。今年の秋、大手通信販売会社から「マントヴァーニCD集」(10枚組)がリリースされる予定だが、このように今なお静かな人気を保っている。