井上隆一氏(1910-1987)は、中国語学者で元・大東文化大学教授。
残念ながら現在、著作のすべてが絶版になってしまっているが、その中国および中国人に関する理解・認識の深さは、今なお輝きを失っていない。
「毛主席の袖」「中国の風と光~中国に暮らして」というふたつの著作は、戦前の中国体験に基づいて書かれたエッセイ集だが、日本人とは全く異なる中国人の人生観、生活感覚が詳しく記録されていて、時代を超えた今なお教えられることが多い。
1960-80年代初期までに書かれた日本人の中国論は、もはやゴミ箱入りになったものが圧倒的に多い。それらは特定のイデオロギーに基づき、「新中国」に夢を仮託したに過ぎず、本当の中国を見ていなかったためである。本ブログでも採り上げた安藤彦太郎氏(元・早大教授)などはその典型である。
井上隆一氏は、中国人というものを知り尽くし、心から中国を愛した。それはイデオロギーとは無縁だったので、時代を超えることができるのだ。
教育者としても、多くの学生に「本当の中国」を知らしめる努力を惜しまなかった。今なお氏の面影を偲ぶ人は数多い。
ぜひ、著作の再刊を期待したい。
残念ながら現在、著作のすべてが絶版になってしまっているが、その中国および中国人に関する理解・認識の深さは、今なお輝きを失っていない。
「毛主席の袖」「中国の風と光~中国に暮らして」というふたつの著作は、戦前の中国体験に基づいて書かれたエッセイ集だが、日本人とは全く異なる中国人の人生観、生活感覚が詳しく記録されていて、時代を超えた今なお教えられることが多い。
1960-80年代初期までに書かれた日本人の中国論は、もはやゴミ箱入りになったものが圧倒的に多い。それらは特定のイデオロギーに基づき、「新中国」に夢を仮託したに過ぎず、本当の中国を見ていなかったためである。本ブログでも採り上げた安藤彦太郎氏(元・早大教授)などはその典型である。
井上隆一氏は、中国人というものを知り尽くし、心から中国を愛した。それはイデオロギーとは無縁だったので、時代を超えることができるのだ。
教育者としても、多くの学生に「本当の中国」を知らしめる努力を惜しまなかった。今なお氏の面影を偲ぶ人は数多い。
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